前回のブログで、次なる課題はコストダウンです。と申し上げておりましたので、コストダウンのテーマでお話ししたいと思います。
まずは材料コスト低減の検討として、金属以外の材料での検討を行いました。
手持ち材料として、普段はフライス加工の敷板として使用しているアクリル板で加工を行ってみました。
結果として、加工熱でアクリル板が溶融して、エンドミルに焼き付いてしまいます。
強制空冷しながら加工すればいけそうな気もするんですが、ペンディング!
次に目を付けたのがEVA(簡単に言えばスポンジです)
これは軽くてキズ防止には最適です。
しかしながら予想していた通りに課題もありました。
最大の課題は、柔らかく、変形しやすいので加工精度を出しにくい事です。
特に細かな部分はスポンジの変形で希望の加工が出来ない。
これの関してはスポンジを濡らして凍らせた状態での凍結加工などが出来れば加工精度を出すことが出来そうなのですが、そんな設備はあろうはずもなく、断念。
ちなみに加工したものがこの写真です。
外径のみを見ればそこそこな形状なのですが、満足のいく仕上がりにならなかったのでこれもペンディング。
後、手持ち材料はエボナイトぐらいしか残っていません。
しかも手持ちのエボナイトではフルカバーを加工できるサイズには足りません。
そこで、フルカバーではなく、パートカバーにすることにしました。
エボナイトはゴム臭がして嫌なのですが加工精度を確保しやすく、溶融することなく加工が出来るので期待しておりました。
が、強度的に脆いようで肉厚のない部分が強度的に不安です。
加工性が良いので、この強度的に不安な部分を補強できれば良いだろうと考え、次のステップへ!
エボナイトの表面にアルミ板を接着してから加工することにしました。
こうすることにより補強でき、なおかつ表面にはアルミが露出するのでフレーム材料とのマッチングも良好です。
異種材料同士の接着で注意することは材料同士の膨張率の違いです。
今回の場合は板厚が薄いのでそこまで気にすることはありませんが、念のため熱変形を吸収してくれる弾性接着剤でアルミとエボナイトを接着することで対応しています。
加工自体は問題なく加工できたのですが、このパートカバーの場合リールのフレームにうまく固定するアイデアが伴っておりません。
ピラーとピラーの間にもう一つ膨らみを持たせ、その部分で両面のパートカバーを保持する機構を盛り込みむとか、もう少しアイデアが必要のようです。
実際に渓流でリールにキズを付ける要因としては、
1)ロッドのガイドにラインを通しているとき
2)トラウトの写真撮影時にロッドとリールを地面に置いた時
3)転倒
以上の要因でリールにキズがついてしまう可能性がありますが、少なくとも1)と2)についてはこのパートカバーでもキズ防止の役割を果たしてくれそうです。
花梨のフルカバーも強度的に気になっていたので、異種材料とのコラボで補強できればと思っております。