最近バンブーロッドの作製はかなりご無沙汰状態で、作りたい試作ロッドがあるのですが、その前に依頼のあるほかの作業が立て込んでいて、なかなかバンブーロッド加工に進めません。
バンブーロッドの作製工程で、ブランクを作製するまでの工程と、ブランクが出来上がった後の工程では大きく性格が異なります。
前者は「動」、後者は「静」と言った感じです。
私は後者の作業が案外好きなんです。
特にラッピング作業は性格的にあっているのか好きな作業です。
難点は眼精疲労からくる肩こりかな!
ラッピングを開始するまでにはガイド類のフットを削り、研磨したり、フックキーパーを作製、黒染めしたりと言った事前作業が必要です。
ラッピングはティップ部分から巻き始めます。
理由は細い部分のほうが巻きやすいので、簡単な部分で練習して徐々に太い部分のラッピングを行っています。
フックキーパーを付けないビルダーさんも多いように思うのですが、私はフックキーパーを付けた全体のラッピングデザインが好きなので、通常はフックキーパー付きで作製しています。
フックキーパー部分のラッピングは気を使うし、時間もかかるんですが、達成感もあり、ラッピング途中は息を止めながらというか、気が付いたら息を止めていました的な状態で作業を行っています。
私のロッドはスウェルバッドにするロッドは少ないんですが、スウェルバッドはテーパーがきついのでラッピングスレッドが滑ってラッピングしにくいのです。
個人的にはグリップ内まで曲がりを感じられるロッドが好きなのですが、スウェルバッドにきれいにラッピングされたロッドも好きです。
使用してるシルクスレッドはキロワールドさんのシルクスレッドを使用しています。
スレッドは色止めをしない場合は色が透けてガイドフットが見える状態になります。
薄いスレッドはより薄く、濃いスレッドはより濃くなるので、使用するスレッドカラーは気を使いますが、個人的には
ブラウン系のスレッドカラーが好きです。
ラッピングカラーと、飾り巻きのデザインを考えるのも楽しい作業です。
ラッピングに関しては、シンプルに徹してるビルダーーさんもいるし、凝りまくっているビルダーさんもいます。
私は、ラッピングも上達したいので、色んなラッピングに挑戦してみたいと思っています。
こればっかりは練習する意外に上達の近道はないと思うので、練習を積む良い機会だと思いながらラッピングしています。
ロッドのコスメは必要ないという人もいますが、ラッピングはビルダーらしさを表現できる部分だと思っています。
私のロッドはニッケルシルバーのフェルールを使用しており、これと言った外観的特徴はありません。
希を狙ったフェルールには興味なく、いくら軽量だからと言ってもフェルール部分が膨らんだデザインのロッドにも興味がありません。
何十年先も使用できる部材を使用したロッド
すなわち何十年も前の形状を維持したロッドを作りたいと考えています。
ということで、ラッピングで少し主張させてもらっています。
ラッピング時はほとんど音のしない時間が過ぎていきます。
普段は機械の音の中で作業している日々で、音の無い時間は貴重で、好きな音楽を小さな音で聴きながらチマチマとラッピングするこの時間が貴重で、至福の時間だったりするのです。