私はRetro Rod&Reelでリールやフライフィッシング用小物作りの合間に農作業をやっているいわゆる兼業農家ってやつをやっています。
今のシーズンはスイカ、プリンスメロン、トウモロコシ、カボチャを作っており、もちろんお米も作っています。
田んぼや畑はこのシーズン2週間もすれば雑草がひざ丈ぐらいに成長し、そのたびに草刈り機で作業を行うのです。
1回の作業量としては約2時間で田んぼの周辺の草刈が完了します。
畑も同様に2時間で草刈が終了します。
この草刈り機での作業が結構大変なのです。生えてきた草を刈るだけの作業で何も生産されませんが相当な体力を消耗するのです。
特にこの季節は大変です。先日は35℃以上の炎天下での2時間の草刈りでした。熱中症対策のため大量の水分を摂取し、大量の汗をかいて作業するも、2週間たてば元通りに草は成長する。まさにイタチごっこの草刈りの連続。
この作業はつらい作業の一つです。
この辛い作業は、実は私にとって重要な作業の一つなんです。
バンブーロッドビルディングにおいての辛い作業としては、曲がり直し作業で、2PCのロッド1本を作製するためには12本の竹辺をアルコールランプで炙りながら曲げなおしする単純な作業なのですが、1時間で竹辺4本ぐらいしか曲がり直し作業は進まず、これでやっと1/3の作業量かと思うと中々しんどい作業だと感じてしまいます。
リールの加工においての辛い作業としては、機械加工後の各パーツの研磨作業で、#400から順に600、800、1000、白棒、青棒、更に細かな研磨剤での研磨と続きます。
1日で2セット分のフレームの研磨しか終わりません。
このように、どんな作業にも辛いと感じる作業はあるんですが、草刈り作業のおかげでこれらの作業はまだましな作業だと感じさせてくれるのです。
炎天下の屋外で大量の汗を流しながら草刈り機を振り回す作業に比べれば、曲がり直し作業も、リールの研磨作業も空調の利いた室内で、音楽でも聴きながら作業をすることができるわけですから、これはつらい作業ではなく、単に単調な作業と呼ぶべきなんでしょう。
なので、2週間に1回のペースでの草刈り作業は普段の仕事は単調であっても決して苦痛な作業ではなく、むしろ幸せな時間だと気づかせてくれる重要な役割だったのです。
こう思うことで辛い草刈り作業も修行の一環だと思うことにしているのです。
最近はこのような木工加工を行なっています。
何かと言うとルアーロッド用のウッドグリップの加工です。
ルアーロッドについてはまるで素人なので、言われた通りに加工するだけなんです。
加工依頼を受けての作業なので、最終形態は開示できませんが、スピニングロッド用とベイトロッド用のウッドグリップを加工しております。
ルアーロッドの加工は興味のある世界なので、勉強を兼ねて引き受けさせていただきました。
まだまだ加工に時間が掛かりそうなのですが、今までとは少し変わった加工なのでリフレッシュできる作業です。
この作業も同じ作業の繰り返しで単調な作業になりがちなのですが、土曜日に草刈り修行を行ったので、また気合を入れて作業を開始しています。
最近はホームページを見たり、SNSの投稿を見て連絡させていただきましたと言った相談を受けることが徐々に増えてきました。
ハーディーリールのハンドルノブ交換のお話であったりオピネルナイフのウッドグリップ交換の話などもいただいています。
ハーディーリールの方はエボナイトと鹿角でのノブを加工して欲しいとの内容でした。
オピネルナイフは初めての加工なのでナイフを購入して形状確認しましたがなかなか難しい加工を必要としそうなのでどういった加工をすべきなのかを考えています。
この考える時によくやるのが
①ほかの加工方法はないのか?
②ほかの材料で加工できないか?
③自分の色を出すならどこに?
④コストを無視したらどんなものができるのか?
⑤さらに機能を足すとしたらどんな機能か?
⑥もっとシンプルにするならどうする?
などと言った切り口で考えることで、色んなアイデアを抽出して、試作しては変更を繰り返して煮詰めていきます。
考える時間は楽しい時間でもあり、この思考プロセスはどんなところにも流用できるので、いつもこのような思考で考えられるようにしたいと思っています。
出来上がったものをお披露目した瞬間に「そう来たか!」と言われる瞬間が至高のひと時となります。
一目見ただけで感動する逸品と言うものがありますが、いつもそれを目指して、考え抜いて、手を動かして、考え込んで、ニヤニヤして、夢中になって、油にまみれて、磨き倒して、そうしてやっとたどり着けるものだと思っています。
逸品と言うものに!