昨年末より加工を開始したリールシートフィラーですが、年末に部屋のあちこちを片付けていると色んな所からフィラー用の材料がポツポツと出てくるのでした。
花梨、黒柿、杉、橡等々のフィラー加工を行ないました。
それらの材料を円筒状に加工して、センター穴を開け、偏芯治具にて偏芯加工を経て、研磨、コーティングを施しておりました。
加工自体は慣れた工程でもあり、時間は予想できるのですが、今回は色んなフィラー材で加工を行ないましたので、研磨、コーティングに時間が掛かりました。
コーティングは1液性のウレタンニスを使用しています。
コーティングに関してはバンブーのコーティングも同様に1液性のウレタンニスを使用しています。
理由は、どこでも入手可能だからです。
入手困難なコーティング剤の場合、在庫として確保して多く必要がありますが、どこでも入手可能なものなので、在庫の必要もなく、常に安定して入手可能なコーティング剤。
実はこれって非常に大切なことなんです。
どこでも入手可能な材料で、可能な限りシンプルなプロセスで作製する。これが安定して作り続けるコツでもあるのです。
さて、コーティングに戻ります。
木材ですから加工面に凹みや部分的に硬い所、柔らかい所、コーティングが染み込みやすい部分、染み込みにくい部分等様々な場面があります。
通常は数回コーティングした後に凹み部分に少し粘度の高いウレタン樹脂をピンポイントに置いていきます。
これは板金作業時のパテ埋め工程に似ています。ピンポイントに置いたウレタンが硬化したら#600、#1000程度のサンドペーパーで研磨して、ウレタン塗布を行います。
このウレタン塗布はロッドモーターでフィラーを回転させながら、刷毛塗りでコーティングを行っています。
これも可能な限りシンプルなプロセスにするという理由から、このような構成にしています。
コーティングが乾燥したら、目視確認で凹み等を確認し、再度ピンポイントでウレタン樹脂を置く作業を繰り返します。
何度かこの作業を繰り返し、凹み等が無くなったら仕上げに数回のコーティングを行い乾燥させます。
私は特に乾燥ブース等を使用することはしておりませんが、乾燥時はロッドモーターやフィラーを覆うように屋根を設けて、ゴミの侵入を防ぐようにしています。
このような対策では完全にはゴミに侵入を防ぐことはできません。
仕上げコーティングが乾燥した状態で、表面に付着したゴミを研磨します。
#2000程度のサンドペーパーで湿式で研磨し、その後白棒、青棒、#8000 仕上げ研磨剤で研磨して仕上げます。
マーク・アロナーのリールシートのようなガラスコーティングしたような無機質な輝きを放つリールシートフィラーが理想です。
何度もコーティング、研磨を繰り返さなければ得られない輝きで、簡単には得られないからこそ価値があるものだと思います。
この後、所望の長さにカットしてリールシート金具を接着すれば完成です。
今回30本程度加工しました。最近はロッド作製本数が減っており、当分使いきれるものではありませんので、販売する予定にしております。
フィラー外径17.3mm程度
内径:8.5mm
フィラー長さ:85mm程度
このフィラーに合わせたキャップ&リング&チェック付
花梨瘤材:4800円(税別)
その他:4300円(税別)
金具類は接着していない状態でのお渡しとなります。
(購入後に黒染め等の加工に対応するため)
金具類も機械加工後に研磨しております。
問い合わせはこのホームページのコンタクトからでもOKです。
その他SNSからの問い合わせでもOKです。
木目の良いフィラーは早い者勝ちです。