花梨モデルはRetro Rod&Reelのフラッグシップモデルです。
何度もブログで説明しているので、今更紹介することはないんですが、エボナイトと同様に研磨を行います。
花梨表面をウレタン樹脂でコーティングして、研磨していくのですが、ウレタン樹脂の凹凸が出ないように、何度もコーティングと水研ぎを繰り返して表面の細かな凹凸を無くした状態で最終コーティング、研磨を行っていきます。
研磨時に下地の花梨が露出してしまえば、コーティングのやり直しです。
花梨へのコーティングが凄く時間が掛かるので、平行して数枚のフェイスプレートを同時にコーティングしているのですが、手間をかけているうちに愛着も沸いてきます。
特に最終コーティングが終わり、花梨の表面が無機質なガラスでコーティングされているように見える瞬間がたまらなく好きなんです。
この感覚はリールシートフィラーでも同様で、静かに光り輝く状態を作りあげられたことに対する満足感であったり、そのガラス状の奥に言葉では表現できない幾何学模様が織りなす自然界の不思議と、唯一無二の模様に引き込まれてしまいます。
今回のオーダーは真鍮フレームを選択されております。
花梨の色合いは暖色であり、真鍮のフレームの色合いもほかのジュラルミンやステンレスの寒色に比べれば暖色に相当すると思います。
すなわち、この真鍮フレームと花梨の組み合わせは、温かみを感じさせるリールになるわけなのです。
レイズドピラーの形状は昔ながらのオーソドックスな形状なのですが、この暖色の組み合わせで、セピアカラーの写真に出てくるような懐かしさを感じることも出来ると思います。
今回オーダー頂きましたリールの仕様は、真鍮フレーム+花梨フェイスプレート、左巻き、花梨ノブ、真鍮ノーマルフットです。
花梨の奥深さを表現できたリールに仕上がりました。
お気に入りのバンブーロッドに合わせて頂ければ嬉しく思います。
お気に入りのロッド、お気に入りのリール、お気に入りのランディングネット、綺麗な渓魚、この4つが収められた写真を想像するだけでニヤニヤしてしまいそうです。
ライン容量はDT-3F+30y程度です。
DT-4Fはノーバッキングで収納可能です。
重量は130g程度です。
見た感じは普通の#3リールよりもコンパクトです。
レイズドピラーリールは、見た目は小さく見えます。
この小ささは、渓魚と一緒に写真に収めると、比較対象のリールが小さいため、渓魚が大きく見えるという効果があるのです。
写真を撮る際にはネットに渓魚を入れた状態の後ろ側にロッドを配置すると遠近法と対象比較のリールのコンパクトさから渓魚は大きく写真に収めることができます。
渓流解禁でお待たせしている状態で申し訳なかったのですが、漸く完成いたしました。