リールシートフィラーの加工を行なっています。
自分用はかなりストックがあるので当面は加工の必要はないんですが、加工依頼がございまして、加工の毎日です。
加工自体は、四角柱の木材のセンターに穴加工して、外形を整え、偏芯加工して、研磨すれば良いだけなのですが、この加工もなかなか奥深いのです。
まず、センター穴加工ですが、通常はボール盤で穴加工する場合が多いと思うのですが、フィラー長さが100mm程度あるので、ボール盤のZ軸ストロークが100mmm以上のものがあれば簡単なんですが、そんなボール盤は所有しておらず、特殊な加工を行なっています。
まず四角柱のセンターをケガいて、そこにセンタードリル加工を両面に行います。
次に片面側にφ4.8mmのドリルで深さ10mm程度の穴加工を行ないます。
写真のように旋盤のチャックにM6のネジをチャックして、そこにφ4.8mmmの穴加工した四角柱をねじ込みます。
その際に反対面のセンター穴加工した部分を芯押し台で押しながらねじ込むとまっすぐにねじ込めます。
しっかりとねじ込んだらそのまま旋盤を回して円筒加工を行ないます。
私の所有している旋盤はφ20mmの貫通穴があるので、φ20mmまでは主軸に貫通しますので、フィラー外径をφ19.5mm程度に加工します。
その後円筒状のフィラーをドリル加工で内径加工を行ないます。
今回はφ8mmの指定でしたので、最終φ8mmでドリル加工を行ないました。
次にφ8mmの内径基準で外形加工できる治具を準備します。
簡単な治具で、M6で長さ120mm程度の全ネジと、この全ネジの外径とほぼ同じ内径を持つ円筒状のスペーサーを作ります。
アルミで加工しています。外径はφ8mmのフィラー内径に合うように加工しま内径に合うように加工します。
長さはフィラーよりも少し短い95mmm程度にします。
全ネジの片側にはセンター穴加工を行なっておきます。
M6の全ネジにスペーサーを通し、フィラーを挿入して、両側からナットで締め込みます。
この状態で全ネジ部を旋盤でチャックして、全ネジのセンター穴を芯押し台で押して、回転させると、内径基準で外形加工を行ないことができます。
この方法で規定サイズまで外形加工を行ないます。
この外形加工ですが、バイトの切り込み量を大きくすると、写真のようにフィラーの繊維のムシレが発生します。
これはフィラー材により様々で、バール材のようにあらゆる方向に繊維が入り組んだような材料ではムシレは小さく、
バール材以外の木材では少なからずこのムシレが発生します。
この場合は切り込み量を小さくすることでムシレも小さくできるのですが、加工時間が掛かってしまいます。
また、ムシレの大きな材料は、規定寸法よりも大きめに加工して、研磨で規定寸法まで追い込むような加工をしなければ綺麗な加工が出来ません。
なので、ムシレの大きな材料は加工時間が掛かってしまうのです。
この写真は切り込み量を抑えて加工した状態のものです。
ムシレが小さいことが良くわかると思います。
このように加工するフィラー材の特徴を把握して加工すれば綺麗な加工が出来るのですが、研磨を惜しまずに加工するのが一番きれいに加工する秘訣ではないかと考えています。もちろん使用するバイト形状によっても大きく仕上がりは左右されると思います。
外形加工が終了したら、偏芯加工を行ない、研磨して、規定寸法になるように切り出せば作業完了なのですが、偏芯加工でも同様のムシレが発生するので、切り込み量を小さくして、研磨代を十分に確保しておくことが重要になります。
加工しやすい材料、木目の綺麗な材料、使いたい材料は様々で、加工依頼されるので、どのような材料で加工しなければならないかの予備知識のない中での加工は大変ですが、色んな材料電加工を経て、加工知識を吸収していきたいと考えています。
何十本単位での加工依頼の場合、丸一日同一加工を行なうことも良くあります。
一日中旋盤の送りダイヤルを回し続けたり、一日中、フィラーを研磨したり....。
研磨を一日やると、部屋中に細かな研磨粉が降り積もった状態となり、これを綺麗に水拭きしないと、ロッドビルディング時に降りかかり、ボコボコの表面になったりするので、大変です。
オーダー頂いている加工はもうすぐ加工完了します。
まだ、ロッドとリールのオーダー分は手つかずの状態ですが、昨日ホームリバーも解禁したようで、もう、うずうずして仕方ありません。