昨年末からBuddy Reelの花梨Modelのオーダーが続いております。
花梨Modelは通常のエボナイトと異なり、かなり手間がかかります。
簡単にプロセスを紹介しますと、まずは花梨の板材から円盤状に切り出しを行います。
板厚は3mm程度です。
次にこの円盤状に板材の中心に穴あけ加工を行ないます。 穴径は4mm程度です。
エボナイト材も円盤状に切り出して中心に4mm程度の穴あけ加工を行ないます。
エボナイトと花梨を穴部分を合わせて接着します。
約6mm程度の厚みとなったエボナイトと花梨のコンポジット材を切削加工して3.3mm程度に厚さ調整を行います。
エボナイト1.5mm、花梨1.8mmに調整します。
厚さ調整したコンポジット材の花梨表面に窪み加工を行ないます。
フェイスプレート表面を立体的に見せるための加工なのですが、この窪み形状、位置、深さ等も何度も試行錯誤したことが思い出されます。
窪み加工したら花梨表面をサンディングします。#1000程度までサンディングしたのち、シーラントを塗布します。
乾燥後、リールのフレームサイズに外径を加工します。
外径加工後に花梨表面にコーティングを施します。
このプロセスは以前ブログに書きましたが、何度も何度も繰り返してコーティングを行い、コーティング表面の凹凸が完全になくなるまで根気よくコーティングを繰り返します。
コーティング完了後、表面を研磨して鏡面にします。
最後に裏面側に軸受パーツが収まるようにザクリ加工と穴加工を行ないます。
そしてフレームにこのフェイスプレートを接着すればフレームの完成です。
コーティングの乾燥時間等を含めると約1か月程度の時間を要してしまいますので、10枚程度纏めて加工します。
今回はこの纏めて加工したフェイスプレート材の最後の2枚で加工したリールです。
フレーム材はStainless製で、ジュラルミンとは重量感、輝きの深みが異なります。
スプールはジュラルミン、リールフットはニッケルシルバーでリブフットに加工しております。
S字ハンドルは左巻き仕様です。右巻きの場合はSハンドルを反転させた形状になります。
ノブはフェイスプレートの花梨に合わせて花梨にしています。
フェイスプレートは花梨の紅白の瘤材で、この幾何学模様は眺めていても飽きません。
フェイスプレート表面の反射状態からコーティング状態が確認できると思いますが、
花梨の表面をガラスコーティングしたような輝きになっています。
裏面側のフェイスプレートも紅白花梨です。
Retro Rod&Reelのリールのバリエーションの中でStainlessフレームが一番高級タイプで、更に花梨のフェイスプレート、ニッケルシルバーのリブフット仕様とすべてのオプションが最高級なモデルになっています。
重量は126gでどんなロッドにも合う重量になっていますが、やはり、一番お気に入りのバンブーロッドに合わせて頂きたいものです。
お気に入りの渓で、お気に入りのバンブーロッドとこの花梨Modelのリールを合わせ、綺麗な渓魚をネットで掬い、渓魚とロッドとリールを含めた写真を撮影する。
至福の時間
簡単に作れるリールではありません。
手間も時間も掛かりますが、貴方の最高のBuddyになることを願います。
今まではオーダー品のリール作製を行っておりましたが、
今回のロット最後のこのリールはオーダー品ではありませんので、どなたでも購入可能です。
各種SNSで発表するとすぐに売れてしまう場合もございます。
また、現在ロッドのご予約を頂いており、今後はバンブーロッド、グラスロッド等の予約分の加工を行なう予定にしており、
当面リールの加工はSTOPとなります。
エボナイトモデル等は弱化ののストックがございますが、花梨モデルはこれが最後になりますのでご了承ください。
リールサイズを参考に掲載しておきます。
DT-3F+30y またはDT-4Fノーバッキングを収納可能です。