遅ればせながら、バンブーロッドの作製を開始いたしました。
今回は#5ロッドと、ティップの作り替え、あとは以前から気になっていたロッドの加工を行なう予定です。
まずは竹割りから、トンキンケーンを割りました。久々だったので、竹幅を1:1で割るのは全然問題ないのですが、1:2の幅で割るのに少し苦労しました。
トンキン以外に真竹の竹割りも同時に行いました。
友人から4年ほど前にもらった真竹です。
気になっていたロッドと言うのは、真竹のロッドです。
いつもはトンキンと女竹を使用しているのですが、真竹は今まで加工したことが無かったので、興味がありました。
竹割りを行なった感想としては、節が高いということです。
曲がり直し時に節の部分をプレスして節の高い部分を矯正していきます。
さて、今回真竹でロッドを作製するということで、せっかくなので、トンキンと女竹と真竹の比較ができるように、同一テーパー、同一長さのロッドを加工してみようと考えています。
#3ロッドで、7’00”のロッドにしようと目論んでおります。
それぞれの竹によってロッドアクションがどのように変わるのか比較するのが楽しみです。
荒削りを開始したのですが、私はプレーンは1種類しか使用していません。
仕上げ削り用プレーンで荒削りも行っています。
理由は、プレーンの刃の角度です。
荒削り用は角度が寝ているので、竹に食い込むような気がしています。
それから、プレーンの刃を研ぐ時に、みなさんホーニングガイドを使用していると思うのですが、刃の突き出しで悩んでいませんか?
刃の突き出し、すなわち砥石とプレーンの刃の角度が平行になっていないと刃の角度が変わったり、研ぎ時間が長くなったりします。
私は研ぐ前の刃にマジックを塗って軽く砥石に滑らせて、刃の角度を確認しています。
写真のように刃の先端部分だけ削れているようなら、刃の突き出しを増やしていきます。
これを何度か繰り返すと、全面が砥石に接触してマジックが消えることが確認できますのでその位置で研ぎます。
砥石はドライ状態でもウェット状態でも構いません。
均一に刃先が砥石に当たれば、研ぎ時間は掛かりません。荒と仕上げで1分程度でも十分刃先が整います。
この研磨位置でプレーンの刃に目印をつけておけば、次回からは位置を微調整するだけで面当たりする位置を見つけ出すことが可能です。
後は、刃先にRを付けておくとプレーニングフォームを刃先のエッジ部で削ることが少なくなります。
皆さんはスタンレーのフォームを使っていると思いますが、刃は日本製の焼の入った刃の方が断然切れ味が良く、切れが持続します。
焼き入れ技術は日本刀の技術を継承した日本製が一番だと思います。
ホーニングガイドで、荒砥石、仕上げ砥石で研いだら、ホーニングガイドからプレーンの刃を外して、研いでない裏面部の刃を仕上げ砥石で数回研いで、カエリを取り除いて、終了です。
研いだ後の砥石は平面が乱れていることがあるので、面直し用砥石で平面にします。
この時は、砥石表面にランダムに鉛筆等で線を引いておいて、面直し用砥石で線のすべてが消えるように修正するように心掛けています。
荒削り加工ですが、私の場合は、竹割時に片刃ナイフで竹辺がおおよそ正三角形になるように削っています。
それから、フォームに載せて、ブランクの節部分をヤスリで落とします。
この時に完璧に節部分を削るのではなく、大きく出っ張っている部分を削る程度にしていきます。
フォームにブランクを載せて、荒削りをしていきますが、両面を削り、正三角形が形成された状態で、再度ブランクの曲がり確認を行います、ブランクの長手方向をY方向とするとブランクの幅方向であるX方向の曲がりと、厚み方向であるZ方向の曲がりを修正します。
曲がり直しの目安としては、ブランクをフォームに載せた時に、フォームの溝からブランクが外れたり、浮いたりしない状態まで曲がり直しをすることが重要です。
(節部分を完璧に削っていないので、節部分は若干浮きがあったりしますが)
フォームから大きく浮いたりしない状態まで修正したほうがブランクのファイバーを切断する量が少なく、強いブランクになります。
荒削りをやり始めたら一気に削ってしまいたくなりますが、一旦削るのを止めて、面倒ですが曲がり直しをする習慣をつけることで、安定したブランクを加工することができると思います。
バンブーロッドはいかに早く作製するかを競うものではなく、納得したものを作る。そのためには手間暇を惜しまない。
こういうスタンスで作業したほうがいいと思っています。
バンブーロッド作製で、一番重要なのが、この曲がり直し工程だと思います。
経験を積むと曲がり直し作業が速くなると思われますが、逆にほんのわずかな曲がりに気を取られて、修正を繰り返し、かえって時間が掛かってしまうものです。
バンブーロッドの作製に関しては、前工程の方が重要なのです。
竹割り、曲がり直し、荒削り、火入れ、これらの工程を丁寧に行えば、後は決められたテーパーに従って仕上げ削りするだけですから...。