前々回にバンブーロッドのリペアについて書きましたが、その作業をするときに、同時に7’09” #5 2PCロッドも同時進行させておりました。
ブランクの接着、接着剤の削り落としでペンディングしていたロッドの組立作業に入りました。
世間はGWに突入し、各SNSでは羨ましい釣果報告が相次ぎ、悶々としておりましたが、毎年GWは田植えの準備作業として、苗箱に籾を捲いて、田んぼに移設する作業があります。
田んぼに移設するためには、田んぼにも手を加える必要があるんです。
しかし、5/2に痛風の症状が現れ、夜中には耐えられなくなり、痛み止めを飲みました。
翌3日には籾撒き作業があり、片足を引きずりながら何とか作業をのり超えました。
GW中で掛かりつけ医はお休みで、兎に角、痛みに耐え続けました。
本来なら動かないほうが良いのでしょうが、決められた作業を終えるため、親戚にも手伝いをお願いしているので、私が休むわけにもいかず、腫れた足を長靴に突っ込み、田んぼへ向かったのでした。
さて、4日からはかなり痛みは引いてきて、コルク接着を行いました。
接着剤の効果時間に、ガイド類のフット成形を行います。
シルクスレッドから透けて見えるガイドの足の成形具合を見るだけで、ビルダーの性格を垣間見ることができます。
購入状態のまま、ラッピングしているロッド、荒く成形してラッピングしているロッド、削ったフットがすべて同じ形状に成形され、ラッピングされているロッド、色々なロッドがあり、やはりガイドの足一つまでにこだわったビルダーのロッドは、他の部分も手を抜きことなく、丁寧に作り上げられていると感じます。
今回は#5ロッドで、フルウェルグリップ希望とのことだったので、ご希望形状に成形いたしました。
リールシートフィラーも以前から指定がございましたので、合わせてみました。
最近は良質コルクは非常に高く、また、価格的にリーズナブルなコルクは期待外れな品質のものが多く、入手先に苦労しますが、数年前からあるルートで購入させていただくコルクは値段を裏切らない品質のコルクで、満足しています。
ラッピングは静の作業であり、ラッピング中は何故か呼吸も止まってしまうくらいに集中して作業を行います。
老眼が酷いので、拡大鏡を覗きながらの作業です。
写真も拡大鏡越しに撮影したので、レンズ収差の影響で、ブランクがカーブしているように見えております。
ラッピング自体は嫌いな作業ではないんですが、兎に角、目を凝らして作業するので、眼精疲労からの肩こりに悩まされます。
今回は、仕上がりがオレンジで、トリムは赤、それ以外はお任せとのことだったので、私なりに楽しみながらラッピングすることができました。
トリムや飾り巻きを行うと、2日間の作業となりました。
ラッピングが速い人なら1日でできるかもしれませんが、ガイド1個分のラッピングを終えると休憩したくなるぐらいに疲れてしまいます。
時間を掛ける分だけ丁寧にラッピングするように心掛けています。
ロッドは手に取って見ることはあっても中々ラインを通してキャストする機会は多くはありません。
なので、見た目は非常に大切なのです。
見た目が悪ければロッドを手に取って見てもらう機会すら無くしてしまうのです。
ラッピングが終了すると、スレッド部分のコーティングを施し、最終にロッド全体をコーティングします。
この最終コーティングも色んな方法があります。
ディッピングタンクから引き上げる方式、刷毛塗り方式等、私は刷毛塗りを行っています。
理由は、使用するウレタン樹脂の使用量が少なく、環境負荷が小さい事
また、特別な道具を必要とせず、シンプルな作業であるためです。
同じ作業であれば、シンプルな作業を選ぶ、その方が応用が利きます。
次回はスレッドコーティングから仕上げまでを紹介予定です。