6/12に田植えが終了し、ひと段落と言いたいのですが、加工依頼や、修理依頼が多く、特に修理に関しては渓流が最も楽しい今のシーズンなので、一刻も早く修理を完了して、修理したリールを持って渓流で存分に楽しんでもらいたいので、優先順位を上げています。
加工依頼の方は、フルーガー、メダリストのフット交換と、リールシート用リング&リングの加工です。
メダリストのフット自体は以前加工したものがあるのでいいのですが、フットピラーの在庫がなく、急遽加工を行なっています。
ピラー自体の形状がストレートであれば、複雑な工程は必要ないのですが、段差を設けると一挙に加工が複雑になります。
ざっとピラーの加工手順を説明すると、
1)材料の切り出し
2)端面加工を行ない既定の長さに揃える
3)Cドリル加工、ドリル加工を両端面に施す
4)タップ加工
5)段差加工
6)リールフットとの取付穴加工
7)取付穴にタップ加工
8)研磨
以上のプロセスになります。
段差加工はNC旋盤のプログラム加工ですが、それ以外は手加工になり、案外時間が掛かってしまいます。
フルーガー メダリストのネジはモデル、年代によって変わっており、今回依頼を受けたリールフットは2つで、対応するネジは2種類でした。
1種類のネジは確保していたのですが、もう1種類のネジは新たに加工することになりました。
丸小ねじの頭部分を加工して、ネジ形状を新たに作り上げ、首部分をフルーガーのネジ形状に加工しなおす作業が必要です。
この頭部分の加工はNC旋盤のプログラム加工で加工していますが、首部分の加工は加工負荷が大きいので、マニュアル加工を行なっています。
2種類のネジについては、現在リールフット購入された場合はサービスしておりますが、この加工負担も結構あるため、今後はネジ加工費用も別途請求するようになると思います。
ネジの頭部分も加工後、研磨して光沢が出る状態まで仕上げています。
大量に消費するようなネジなら図面を引いて加工依頼するのですが、数百個単位でオーダーするのは危険なので、時間は掛かりますが1こずつ手加工にて対応しております。
さて、修理依頼の方は、UMFウエダのカンタータ2150のハンドルノブ一式を紛失してしまったとのことでした。
依頼主の方は複数台UMFウエダのカンタータ2150を所有されており、ノブ一式を紛失したスプールを送付していただき、ハンドルノブ形状は手持ちリールのノブ部分の写真を送付していただき、加工することにいたしました。
加工パーツは、
1)メタルコア(ネジが収まる部分の金属パーツ)
2)ノブ(ウッドで加工して欲しいとのこと)
3)座布団(ノブが載っている台座)
4)ネジ
まずは時間の掛かるウッドノブを加工し、コーティングを繰り返します。
コーティングの乾燥時間に他のパーツを加工します。
座布は高さがなく、結構加工しにくい形状です。
メタルコア、ウッドノブ、座布団を加工して、最後にネジ部分の加工を行なったのですが、
ここでミスを!
最初に確認しておけばよかったのですが、先入観からネジサイズはM3だろうと思って加工して、取り付けてみるとネジ山がかみ合わない。
そう、このUMFウエダのカンタータ2150はインチネジだったのです。
(リール関連は外注任せのメーカーも多く、このリールも海外メーカーへ加工依頼されて作ったリールなのでしょう)
確認を怠るな! また一つ賢くなりました(笑)
仕方なく、ネジを一から作り直すことになりました。
依頼者の方曰く、メーカーで修理する15000円ほどかかるそうですが、今回1/3以下の加工費でウッド(花梨)のノブを加工させていただきました。
リール関連で何かお困りの際にはぜひご相談ください。
何かお役に立てるかと思いますので、見積もり等は無料です。