Bamboorod 3種の加工は、前回火入れまで完了したと報告させていただきましたが、その後の進捗について記載いたします。
火入れ後の仕上げ削りは特に何も問題なく完了し、接着する工程の準備として、6辺のスプリットを纏めて、マスキングテープで留め、一部にカッターを入れ、いわゆるバンブーの開きの状態にし、この状態でプレーンを数回走らせて、頂点部分をほんの少し削ります。
これは、頂点同士がぶつかり合わないためとも、余剰接着剤の溜めともいわれております。
この頂点削りの後、ヒラキ状態のスプリット間にプレーンで削ったバンブーの削りカスが付着します。
ですから、この状態で接着を行うと接着剤の間に削りカスが挟まり、部分的に接着厚が厚くなったりする可能性があるので、面倒ですが、一度マスキングテープを外して、スプリットに付着した削りカスを丁寧に除去(私は刷毛で除去しています)した後、改めてマスキングテープを貼り付け、同様にヒラキの状態にします。
接着はTGX接着剤を使用しております。
以前はユーロイドを使用していましたが、最近は入手困難になってるようです。
ホルムアルデヒドを含有しているためだからだと想像いたします。
TGX接着剤は主剤と硬化剤を混合してからの可使時間が短く、10分程度で硬化が始まるようです。
今回はバインディング時にトラブル発生です。
バインディング用の糸は、#40程度の比較的細い糸を使用しています。
これはバインディング後の曲がりを確認しやすいためです。
この糸は樹脂製のケースに入っており、上蓋に開いた小さな穴から糸がスルスルと出てくるようになっているんですが、糸の残りが少なくなり、樹脂ケース内でうまく糸を排出できない状態になってしまったのです。
つまり、糸を小さな穴から出そうとしたときに、ケース内の他の糸もつられて穴から出ようとして、穴をふさいでしまったり、ケース内で、糸が絡んだりしたのです。
可使時間が短い接着剤でこのようなトラブルとなり、非常に焦ってしまいましたが、ケースの蓋をあけ、糸をほぐしながら、何とかバインディングを終えることができました。
バインディング終了後は、まず、濡らしたスポンジではみ出した接着剤をふき取り、仕上げにぬらしたタオルで同様にはみ出した接着剤を綺麗にふき取ります。
この拭き取りが不十分だと接着剤が表面を覆い、接着剤除去に凄く時間が掛かってしまします。
拭き取り後は平面上でブランクを転がして、曲がりを取ります。
曲がりも重要ですが、それよりもねじれがない事をよく確認したほうがいいです。
曲がりは、その後の曲がり直しで熱を加えれば比較的簡単に修正できますが、
ねじれの修正は結構大変ですので!
バインディング後は2日間程度接着剤の硬化を待ちます。
この時に、バインディングしたブランクにおもりを付けて、曲がりを矯正しようとしてる人もいるようですが、私は一切矯正はしておりません。バインディングした6辺のスプリットの中心をぶら下げ、6辺のスプリットの中心におもりをぶら下げるのおであれば均一に荷重が掛かり矯正の意味があるとは思えるのですが、とりあえずおもりを付けました状態の場合は、おもりの影響でバインディングした6辺のどこかが歪んだ状態で硬化してしまうはずなのです。
歪を持ったまま接着されてしまうとどうなるか?
歪を解放したい力が発生するため、ブランクの曲がりが発生してしまいます。
ですからストレスを与えた状態で接着する、おもり方式での接着はお勧めしません。
接着完了後はバインディング糸を取り外して接着剤を取り除きます。
私は平やすり1本で接着剤を除去しています。
接着剤の除去後、スチールウールで各面とエッジを少し丸めています。
これはコーティングのウレタン樹脂のカバーリングを良くするためです。
その後必要長さにカッティングし、カッティングしたリーウェイ(端材を軽く研磨した状態が、写真です。
トンキン、真竹、女竹それぞれ特徴があります。
トンキン:パワーファイバーが大きく密度が高い。張りのあるロッドはこのパワーファイバーの大きさ、密度によるものです。
真竹:パワーファイバーは細かく、密度が高い。 真竹ロッドは今回が初めてなのですが、しなやかで繊細なロッドになればうれしいです。
女竹:パワーファイバーサイズはトンキンと真竹の中間サイズで表面付近は密度が高いですが、中心付近はピスが多く、粘っこいアクションの要因だと思います。
女竹の外径はから30mm程度で、肉厚もない事から、中心部分はピスが多い状態ですが、Butt部対面幅7.8mm程度でもホロー状態になっていないようです。
現在はブランクが完成した状態です。
このあと、フェルール作製、グリップ接着、成形、ラッピングへと移行していきます。
楽しみです。