ラッピング作業は静かな作業で、ほとんど音が発生しません。
曲がり直しと同様に音楽でも聴きながらの作業は嫌いではないのですが、1日頑張ってもロッド1本のラッピングさえ終わらないのでもどかしさもあります。
ラッピングはTipの先端部分から巻いています。
ブランク径が細いほうがラッピングしやすいため、先端部で肩慣らしと言った感じです。
今回のロッドはTopガイド、スネークガイド7個、ストリンピングガイド1個、の構成で2pcsなのでフェルールも1セットです。
また、フックキーパー付きにしています。
なので、ラッピング個所はTopガイド1、スネークガイド7×2、ストリンピングガイド2、フェルール部2、フックキーパー1の20箇所です
トリムも入れています。
トリム数は29箇所
ロッド3本なのでこのラッピング数×3になりますので、結構なラッピング数になります。
トリム部は3回転で巻き留めているので、シルクスレッドのカット時にトリムがばらけてしまうこともあり、実際はもっとラッピングを行っていると思います。
たまに、「ラッピングを綺麗に巻くコツはは何ですか?」と聞かれることがあるんですが、
その時は、「納得するまで巻き直すこと」と答えています。
気に入らなければ巻いたスレッドを解いて、やり直しを行うことです。
巻き直すのは結構勇気がいりますが、気に入らない状態で次の工程に進んでしまうと完成後にその部分が気になり、「あの時、勇気を持ってやり直しておけばよかった」と思うことになります。
私個人の意見ですが、ロッドのテーパーはコピーすることができます。
ラッピングはデザインはマネできても美しさは簡単にはマネできません。なのでラッピングを簡単に素早く仕上げるよりも毎回毎回練習だと思って丁寧に巻き、トリムも入れて上達を目論んでいるのです。
ラッピングは数をこなさないと上手にならないモノだと考えているので少しでもラッピングを巻き増やすように心掛けています。
ラッピング終了後はアルコールランプの炎にラッピング部分をを回転させながら数秒間熱して余分なケバを焼きます。
その後はエポキシコーティング、ウレタンコーティング、フルバーニッシュへと進んできます。
今回は3種類の竹材で同一テーパーのロッドを作製しているので、スレッドカラーも大きく変えず、ブラウン系のシルクスレッドでラッピングを行いました。
コーティング中は埃が大敵なのであまり他の作業ができないのですが、そろそろ10月のイベントに向けてリールの加工に取り掛からないといけない時期になり、少し焦りを感じているところです。