前回研磨まで終了していたBuddy Reelのフレームを輪郭加工を行ないました。
まず、リールのフレーム外径より一回り大きなプレートにフレームを載せてクランプします。
輪郭加工するときの基準はフレームの中心なので、フレームに対してツールがX方向とY方向に移動して、フレームに接触させて、中心座標を求めます。
フレームの中心座標を求めたら加工の開始です。
まずはφ2.0mmのエンドミルで、ピラーの接続用ネジの座グリ穴の加工を行ないます。
続いて、輪郭加工を行ないます。
ステンレスの輪郭加工は案外むづかしく、加工熱が発生するので、出来るだけ負荷のかからない加工条件で輪郭加工を行なっていきます。
加工中にはマシンオイルを塗布しながら加工を行ない、エンドミルを冷却しながら加工を行なっていきます。
負荷のかからない加工条件は、ジュラルミンや真鍮と比較して、約3倍の加工時間が必要になります。
なので、フレームをセットして、センター座標を求め、座グリ穴加工、輪郭加工を行なうと約2時間加工時間がかかってしまいます。
加工が終了した状態のフレームはエンドミルのツールマークが刻み込まれているので、ツールマークを消すための研磨を行っていきます。
#320から徐々に研磨して、#1000まで耐水ペーパーで研磨し、その後白棒、青棒、更に細かな番手で研磨を行ないます。
この研磨作業もジュラルミンや真鍮よりも硬度がある分だけ研磨に時間がかかります。
丸1日の加工でやっとステンレスフレームの1セット分の加工、研磨ができます。
バーミンガムタイプのフレームは、輪郭加工が必要ないので、輪郭加工と研磨の作業(1セット分丸1日の加工時間)は必要ではないので、その分だけ加工時間も短くなり、安価で加工できるのですが、レイズドピラータイプの形状は、輪郭加工が必要になり、研磨加工も旋盤上で加工することができないため、時間がかかってしまうのです。
久しぶりにステンレスのフレーム加工を行ないましたが、このフレームにはどのようなフェイスプレートを合わせるか迷っています。
王道の花梨モデルにすべきか、はたまた、現在構想を温めている、新たなフェイスプレートにすべきか、フレームの加工に時間がかかったのですが、この後の加工工程はフェイスプレートさえ加工できれば後は楽なプロセスなので、少し冒険をしてみたいと考えています。
私のホームは9/15までなのですが、明日はワクチン接種2回目なので、もうあきらめモードです。
フロータントケースは在庫切れになっているし、リールシートフィラーの注文があるし、バンブーロッドのメンテナンスでロッドが戻ってきているし、グラスロッドのラッピング2本分が控えているし、フライボックスも加工する必要があり、フェイスプレートはコーティング中だし、新しい構想のフェイスプレートのおテスト加工があるし、色々とやることがあるのですが、今までは釣りに行きたい思いがどこかにあったのですが、禁漁となり、それらの邪念が無くなり、仕事の没頭できると思います。