以前に依頼を受けて加工した。ステンレスフレームのBlister type"R"リールを加工しているときに感じたことです。
ステンレスフレームはBuddy Reelでは採用していましたが、Blisterには展開していませんでした。
このようにどちらかにしかない特徴を組み合わせることによって、新しい発見があるのではないかと考えたわけです。
Buddyリールはクラッシックタイプのリールで、フェイスプレートとフレームが別物になっているため、フェイスプレート材、フレーム材をそれぞれ変更することで、いろんなバリエーション展開しているのが特徴でした。
Blisterリールは、パフォレーションを持ち、同一外径のフレームから、バーミンガムタイプとレイズドピラータイプのリールを作製し、フレーム幅をNallow、Middle、Wideの3種類を展開していました。
これらのリールの組み合わせとして考えられるものとしては、
・Buddyリールのフレーム幅の種類を増やす。
・Buddyリールの構成を利用してバーミンガムタイプリールを作製する。
・Buddyリールにパフォレーション加工を行なう。
・Blisterリールにフェイスプレートを貼り付ける。
等々が考えられ、
この中で、
・Buddyリールの構成を利用してバーミンガムタイプリールを作製する。については、いつかやってみたいと常々考えていましたが、中々腰が重くて、手が出ずにいました。
・Buddyリールにパフォレーション加工を行なう。については、比較的簡単にできるのではないかと考え、一度時間のある時に試作してみようと考えていました。
当初は、Buddyリールのフェイスプレートに穴あけ加工するだけなので簡単と思っていましたが、よく考えるとフェイスプレートに穴あけ加工するだけではなく、スプールにも穴あけ加工が必要であることに気づいたのでした。
BlisterリールのスプールをそのままBuddyリールには流用出来ない事にも気が付き、案外ボリュームにあるプロセスが必要なことが判明しましたが、自分的には、Buddyリールにシルクラインを巻いたアングラーがバンブーロッドでゆったりと綺麗なループで釣りをするシーンを想像してしまい、やってみないと仕方がない状況になってしまったわけです。
と言うことで、まずは、スプールの加工から始めてみました。
φ56mmのジュラルミンを切断した状態で入手した円盤状の板材を旋盤にセットして、両端面の加工を行ない、厚さ4.5mmに加工します。
次にセンター穴加工を行ないφ6.5mmの穴あけを行ないます。
この中心穴を利用して外径を整えます。
その後、パフォレーション加工を行なうためにフライス盤でセンター穴あけ加工を行ないます。
計54個の穴あけ用にセンタードリルで中心穴を加工します。
その後このセンター穴に対してφ3mmのドリル穴加工を行ないます
ドリル穴加工を行なうとバリやカエリが発生するので、両面の各穴のバリ取りを行い、スプールの形状に加工を行ないます。
加工終了後にもバリやカエリが発生するので、両面の各穴のバリ取りを行い、研磨加工を行なっていきます
今回は試作のため、2セットの加工を行ないましたが、穴加工216個、加工のたびにバリ取り216か所が
必要で、なかなか大変な作業なのです。
と言うことで、今回はスプールの加工途中までになってしまいましたが、Buddyパフォレーションリールの完成に向けて、試作を開始しておりますと言うお話でした。