多分、以前にも書いたことがあると思うのですが、懲りずに掲載いたします。リールフットの加工方法なんですが、パイプ状加工したのちに分割してリールフットを作製するいわゆるリンゴ割りという方法で作製しています。
この加工方法のメリットは何と言っても複数個同時に加工できることだと思います。
120°ずつ加工することで1つのパイプ当たり3このリールフットを加工することが可能です。
もう一つの特徴としてはリールフットに加工用の穴を設けなくてよい事です。
リンゴ割方式ではなく、個別でリールフットを加工する場合は、まず、リールフットの外径サイズに大まかに加工し、リールシートと接触する部分のR加工を行ない、最後にリングと接触する部分のR加工を行ないます。
この個別加工時に最後リングと接触する部分のR加工時に、このリールフットを治具に固定するために穴加工しておいて、その穴を利用して治具に取り付けるのです。
このため、個別加工のリールフットには、リールフットの中心部に穴が開いているのです。
この穴のために軽量化できるのは良い事だと思うのですが、この穴を無くすことはできません。
リンゴ割りの加工方法の場合、穴加工の必要はないので、デザインを阻害することはありません。
軽量化のために穴加工を追加することは簡単ですので、自由度が高い加工方法としてはリンゴ割りの方が良いと判断してこの加工方法を採用しいております。
リンゴ割りのためのリールフットの外径輪郭加工を行なった状態です。
フライスで輪郭加工するのですが。完全にリールフットが分離しないギリギリの位置で加工を止めることでリールフットの加工時の落下による傷もない状態で加工を終えることができます。
この後ウエスで包んでバイスで挟むと個別に分離することができます。
円筒状で、テーパーの付いたパイプ状のものを3分割するためにバイスに固定するのですが、実はこのバイスへの固定が加工精度を左右するのです。
また、バイスにセットした後に加工基準の座標を求める作業も結構手間が掛かるんです。
タッチセンサーがあれば比較的簡単に座標を求められると思うのですが、そんなものがあるはずもなく、地味な作業で座標を求めています。
ですが、座標さえ求めれば、NCで勝手に外形加工してくれるので、その間別の作業ができるのは効率的です。
パイプ状でおおよその形状を加工できるので、パイプ状の状態で研磨加工が出来るのも楽です。
リンゴ割り加工した部分はエンドミルでの切削加工痕が残っているので、ツールマークの除去加工を行ないます。
具体的には、研磨シートで研磨し、白棒、青棒、更に細かな粒径の研磨材で研磨を行ないます。
先ほどタッチセンサーがあれば便利と申し上げましたが、このタッチセンサーも、案外簡単に作れるのではないかと思っております。
フライス盤の加工ステージと加工用の刃物(エンドミル)とは導通がありますので、加工ステージと刃物との導通がない状態にすればなんとかタッチセンサーを作ることができそうです。
ということで、リールフットの加工のお話でした。
リールフットでお困りの方は私が加工できるものであれば何とか致しますので、お気軽にご相談ください。