Hardy ソブリンはハーディーの中でも特筆に値するドラグシステムを採用しており、右巻き、左巻きの交換の素早さだったり、ドラグ自体の調整のやり易さ等抜群なリールだと思います。
そんな素晴らしいドラグ性能を持つソブリンですが唯一の欠点と言っていいのが、そのハンドルノブなのです。
ソブリンはアウトスプールでスプールのリム部分が盛り上がっていると言うか、リムよりもノブ部分が低い位置にあります。
ノブの取り付け面とリムの盛り上がっている部分とでは4mmの段差があります。
ノブはそのリムに近い部分に形成されており、ノブの高さは17mm程です。
17mmの高さのノブは通常のノブ高さで何ら問題がないように思えるのですが、段差4mmが大きく影響しているのです。
ノブを回す際に、段差部分に指が接触するので、17mmの高さのでありながら、実際にスプールを回転させる指先は、17mm-4mmの実質13mmしか指先に掛からないのです。
13mmのノブ高さは結構気になるもので、回し辛いけれど、仕方がなく諦めているような感じで使っているフライマンが多いのではないでしょうか?
今回ソブリンのノブがグラついているので修理して欲しいとのご依頼があり、ノブ高さも20mm程度にして欲しいとの指定を頂き、ソブリンのハンドル高さ問題を解決できるチャンスを頂きました。
ノブのグラつきはノブ固定ねじのねじ山がつぶれかけていることが原因のようです。
ノブのデザイン画を送っていただきましたので、そのデザインを具現化致しました。
今回作製したのは、
・ノブ
・ネジ
・メタルコア
・座布団
この4点です。
ノブはあまり主張しないアイアンウッドで上品な感じにしました。
また、座布団には外周にローレット加工を施して、高級感を演出しております。
ノブ高さは20mmなので、4mm分犠牲になっても16mm分のノブで十分にスプールを回転させることが可能です。
ノブを回しやすくしたことで、ソブリンの欠点は解消され、無敵のドラグ性能を存分に発揮し、釣りに最適です。
なお、写真のノブは、アイアンウッドを削り出した状態のフィッティング写真です。
実際にはこの後コーティングを施して完成となります。
コーティングにもう数日かかりますが、無事ノブの修理完成です。
追記:其の後ノブコーティング時にマイクロクラックを発見し、気持ちが悪いので再度アイアンウッドで再加工したものの、これも加工途中で割れてしまい、現在花梨で加工を進め、コーティング中です。
もう数日で完成予定です。