バンブーロッドはフェルールの加工をしようと図面を引いてみると、結構中途半端なサイズで、今回7.5/64 13.5/64が必要になったんですが、リーマーがないため注文したところ、結構納期が掛かってしまうとのことで、リーマー到着までバンブーロッドの加工は放置状態となりました。
さて、少し前にFacebookでHardyのセンターネジが高いとの投稿を目にしていました。
Hardyのセンターネジは1/8インチ(No5)UNCの左ネジです。
最近YoutubeでHardyのハンドルノブを自分で交換するという内容の投稿をみていたら、M3ネジで固定されていて、びっくりしたのを思い出しました。
ノブ用のネジも1/8インチ(No5)UNCでこちらは通常の右ネジです。
そのFacebookの投稿ではセンターネジが4200円となっていました。
流石に高いですね!
私がリール用に使用しているネジ類はメートルネジなので、ダイスも手に入りやすいのですが、インチネジ、しかも左ネジ用のダイスはネットを探しても出てきません。
今回、リーマーの到着が遅れるとのことで、久しぶりに旋盤でねじ加工をやってみようと思い立ったのです。
ネジきりのGコードはG76で、ネジを切る動作自体はこのG76の1文でできるのです。
1/8インチ(No5)UNCのネジピッチは0.635mmでF値を350に設定すると主軸回転数は、
F/ネジピッチとなり、551rpmになります。
ネジ外径にテスト用のシャフトを加工してねじ切り加工を行ない、リールにねじ込んでみるものの、うまく入りません。
写真上が純正のネジで、下がテスト加工したネジです。
考えられる要因は、
1. 切り込み量が適切ではない
2. 回転数が異なっている
この2点が考えられ、まず2に関しては主軸回転数を指定しても指定通りの回転数にならないため、主軸オーバーライドで出力を1%づつ変化させ、所望の回転数に合わせ込みました。
1に関しては、計算で導き出したトータルの切り込み量は判っても、バイトの先端Rによって切り込み量は異なるため、今回は徐々にトータルの切り込み量を増やして加工して、リールにねじ込んで、現物合せしながら加工しました。
何度となくトライアンドエラーを繰り返したのち、リールにフィットするネジ形状を加工することが出来ました。
今回はテスト加工だったので、ネジ頭部分に関してはマニュアル加工部分が多く、作業性が良くありません。
特に、左ネジを加工した後にネジ頭部分を加工しようとしてもこの左ネジを固定するためのネジ穴がないのです。
ネジサイズが約3.15mm程度なので、めねじの加工が出来ません。
勿論タップもありません。
ということで、ネジ外径に合うようにドリル穴加工したパイプにスリット加工して、主軸でチャックするとネジ外径を挟み込むようなコレットを加工して作業を進めました。
ローレットも入れたのですが、最終的にネジの外径を研磨した際に結構消えてしまったようで、この辺の加工プロセスの見直しは必要だと思っておりますが、ネジ自体は加工できるようになりました。
Parfectリールにねじ込んでみましたが、そんなに違和感もなく装着できています。
全く同じ形状でねじ加工するのも面白くないので、少しアレンジしてみようかなと考えているところです。