バンブーロッドのフルバーニッシュ終了後は、リールシートを接着して完成になります。
今回は黒染めを依頼されていましたので、まずは加工したCap&RingCheckを研磨してリールシートフィラーに装着して実際にリールを装着してサイズ確認を行います。
リールシートフィラーは何度もコーティングと水研ぎを繰り返し、金具類は#320から順に研磨を進めていきます。
簡単に終わらせることも可能な工程ですが、フィラー表面が均一に光沢を出すように仕上げるためにはコーティング剤の染み込みバラツキや気泡、ゴミなどの付着物を研磨除去しながら仕上げることが必要で、どうしても時間がかかる工程になってしまいます。
この辺の仕上げにどれだけこだわるかによって出来上がったロッドの価値が決まると言っても過言ではありません。
「研磨に近道なし!」
これはいつも自分に言い聞かせています。
金具は研磨後にブルーイングを行ないます。
黒染め液はフィルムケースに小分けしておき、フィルムケースに金具類をいれて、軽くシェイクすると巻き込んだ気泡を辞去することができます。
特にローレット加工した部分に気泡を巻き込んだ状態でブルーイングすることがよくあるので、軽くシェイクするのは案外重要なんです。
黒染めは1分浸漬後水洗して、金具表面の付着物をウエスで拭き取り、再度1分浸漬して、同様に水洗して表面の付着物を取り除きます。
この後は、CRC556で軽く表面を拭いてこれ以上の酸化を防止します。
黒染め後に光沢が出ていない金具になってしまっている原因は2つあります。
1つは金具の研磨不足です。
もう一つは浸漬時間が長すぎて、研磨表面が荒れてしまっていることが多いようです。
バンブーロッドの作製工程は沢山あるので、それぞれの工程を突き詰めると凄くたくさんのノウハウが詰まっています。
人に教えてもらった工程をそのまま鵜呑みにするのではなく、教本をそのままなぞらえるのではなく、なぜこのようなプロセスになっているのか?を色々と考えて、トライして、失敗して、考えてを繰り返してブラッシュアップしたプロセスを採用したロッドづくりをしていたいと思います。
CaP&Ring&Checkの金具に関しては、Ring内径のテーパーだったり、Cap外径のテーパーだったり、Cap底面のR形状であったりとほんの少しのデザインを加えることで、見た目であったり、機能性を向上させて行っております。
ほんのひと手間を惜しまないことがロッド作り、リール作りには必要なんじゃないかなと思っています。