ALBERT SMITHリールのノブの修理依頼がありました。
アンティークリールに分類されるであろうこのリールもノブ部分が朽ち果てポロポロと樹脂が欠けている状態です。
詳細に確認すると、ノブはスプールにカシメて取り付けられているようです。
とりあえずカシメられた部分を取り除いてから修理方法を検討することにします。
ノブの上部から細めのドリルで穴あけ加工を行ない、徐々にドリル径を太くしてカシメ部分を取り除きました。
この時にスプール部分に傷を付けるととんでもないことになりますので、細心の注意を払いながら作業を進めます。
カシメを取り除くとスプールにはφ4.7mmの穴が開いておりました。
スプールの穴を活用してノブを取り付けるために、ノーマルのノブにも取り付けられていたようなザブトンをスプールに固定して、そのザブトンにノブを固定する方式にしました。
スプールの厚みが1.6mm程度なのでm6×0.75細目ネジ用のタップ加工を行ない、ザブトン側にはM6×0.75の凸形状したネジを加工して、ザブトンをスプールにねじ込みました。
あとは通常通りにノブを加工していきます。
今回はノーマルのノブのように白系のノブにしたいとのことなので、鹿角を加工して取り付けます。
また、他の要望として、スプールが軸方向にガタツクとのことで、スペーサーも併せて加工を行ないました。
ネジ類は他のパートとのバランスを考慮して真鍮で加工を行ないました。
鹿角と真鍮とアンティークリールとのバランスも中々いい感じだと思います。
スプールのスペーサーは0.4mmのスペーサーを取り付けて、ガタツキを押さえています。
これで、ノブが朽ち果てて使用頻度が劇落ちしていたリールも一気に最前線で活躍してくれることでしょう。
どんな修理も出来るわけではありませんが、出来るだけ修理にトライしてみようと思っています。
そして、愛着あるリールが復活して新しい歴史を刻み始めることが出来れば嬉しいです。
修理の可否、見積もりは無料で行います。
Retro Rod&Reelがフライリールの修理の最後の砦になれるようチャレンジしていこうと考えています。