Ferrule加工の加工、接着が完了すればいよいよラッピングの開始です。
今回はラッピングカラーはお任せ!と言うことで、個人的に一番好きなブラウン系でラッピングしようと思います。
飾り巻きは必要ないとのことでしたので、シンプルにラッピングです。
グリップ部分のラッピングはバンブーロッドの表情に大きく影響します。
特にフックキーパーの有無も表情に大きく影響します。フックキーパーを使用する、使用しないにかかわらず、フックキーパーがあったほうが雰囲気はいいのかなあ と個人的には思っているんですが、これは人それぞれなんでしょうね!
フックキーパー1つをとって見ても、色んな形状があります。Ω形状に折り曲げたフックキーパーもあれば、シングルフットをフックキーパーとして使っている人もいますし、私が使用しているような可動式のフックキーパーも良く見かけます。
この可動式のフックキーパーは自作しています。
特に理由はないのですが、自作したほうがフット部分の長さであったり、フックを掛ける部分のリングサイズの自由度が上がると思い自作しています。
自作に関して、私個人の意見なのですが、例えばFerruleの自作では、サイズや長さ等自分の好みに加工できるという利点があります。
Ferruleはニッケルシルバーで加工しているのですが、これは市販のFerruleでも同じであり、材料差と言うものがありません。
すなわち、自分の加工の腕があれば市販品と同等のものを加工することができるのです。
フックキーパーに関しても、市販品と同じ材料で加工しているので、材料差による影響はありませんし、そもそもフックを引っかけると言う単純な働きしかしないわけなので、ロッド性能に影響するようなパーツではありません。
このように材料差がない場合や、ロッド性能に影響しないようなパーツに関しては自作しようが、市販品を使用しようがそれはビルダーさんの判断で問題ないわけです。
しかしながら、材料差がある場合やロッド性能に影響するような自作パーツの場合は決して自作が良いとは限りません。
なんでもかんでも自作しようと思えばできるものが多いのですが、ロッドへの影響を加味して自作できるパーツであったとしても、自作せずに性能優先で市販品を使用すると言った冷静な判断が求められるべきなのですが、中にはその判断を誤った人がいるもの事実です。
一番気になるパーツはガイドです。
トップガイド、スネークガイド、ストリッピングガイド どれも加工しようと思えば比較的簡単に加工できますが、ピアノ線やステンレス線を使用して自作したとしても、市販のガイドの材料とは異なっており、ガイド寿命に大きく影響するのです。
また、寿命を左右する耐摩耗性以外にもヤング率(変形のしやすさ)の違いから大物をヒットさせ、ロッドのガイドに大きな負荷がかかった時にガイドが変形してラッピングしたスレッド部分から抜けてしまったり、折れてしまうこともあるかもしれないのです。
見た目には市販品と遜色ありませんが性能的には大きな差があります。
自作が全てではありません。
自作しても良いものなのか、自作すべきではないパーツなのか?材料的な視点や何故その材料が使用されているのかと言った根本的なことを考える必要があると思うのです。
ガイドはどこのものを使っていますか?
是非この質問をしてみてください。
自作している場合は、市販品に比べて耐摩耗性(通常はビッカース高度で比較するのが良いと思います)がどうなのか?とか、ヤング率が市販品と比較してどうなのかと質問してみてください。
私は少々お高いのですが、タングステンのファインワイヤーを使用しています。
ラッピングに関してはいつも言ってることなのですが、やり直しがきく作業ですので、気に入らなければやり直す勇気を持つことが綺麗に巻くコツです。
トリムは3巻きです。
トリムの幅は細いほうが繊細な感じがして好きなので3巻きに拘っています。市販の一番細いスレッドでラッピングしています。
時間がかかりますが、シルクのミシン糸の#50では決して出せない繊細さにこだわって今日も地味にラッピングしています。
最近はラッピングを座ってできるように配置を変更したので、疲れにくくラッピングをすることが出来ています。
静かな作業なので、音楽でも聴きながら、静かな時間を楽しんでおります。