バンブーロッドのラッピングが終わり、エポキシコートが終わった時点で、ブランクの一部にゴミを噛んで接着剤層が厚くなっている部分を見つけました。
残念ですが、このブランクは使えません。
この話はまた別の機会にするとして、
取り急ぎ、グラスロッドのラッピングを開始しました。
ブランク径が最大10mm程度あるので、コルクにはφ8.5mmのドリルを通してブランクに圧入して接着できるようにします。
コルクの接着はリールシートフィラーを当てがって、コルクの後端位置にマーキングして、後端のコルク1個をエポキシ系接着剤で固定し、硬化後に他のコルクを接着して位置を出しています。
SNS等で、予めコルクを接着して、成形したのちにブランクに接着するような方式でコルク接着されているのを散見致しますが、圧入するようにブランク径に対して小さなドリル穴を加工してコルクを挿入するとコルク1個でも結構な力で圧入しなければならず、10個以上連なったコルクグリップを後から挿入しようとした場合は、ブランク径に対してコルクの穴径も大きくしなければ挿入できず、それはいずれ接着剤の痩せや、劣化によってよろしくない状況を作り出してしまうのではないか懸念しております。
コルクは1個ずつ圧入接着するのが正しいやり方だと信じております。
さて、そうこうしているうちに接着は完了し、オーダーのグリップ形状に削り出します。
グリップ形状に関しては、私がロッドビルディングを始めた20数年前は、ファインシガータイプに拘っておりました。
これはデザイン的なものを優先したがための結果だったのですが、その後釣り易さを追求するにつれ、シガータイプへ、高番手はリッツタイプへと定着していきました。
最近はコルクの値段も高騰しており、昨今の円安の影響で益々高騰が予想されます。
また、ガイド類も流通量が少なくなり、品薄状態になっているようです。
いるも購入しているメーカーでも在庫なしとの状態で、今後は部材調達も大変になってくるようで、価格見直しも避けられない状態になってきております。
2023年からロッド類や小物類については価格変更を予定しております。
リールに関しては、現行を維持したいと思っております。
今回は7’00”と7’03”のラッピングを同時に行っております。
オーダーのスレッドカラーやトリムの有無、フックキーパーの有無等々を間違わないように注意しながらラッピングしていきます。
このブログでも何度も何度も書いておりますが、普段は機械加工の音に囲まれた作業場は、バンブーロッドの曲がり直しの時と、ラッピングの時は音の無い状態になるのです。
音楽を聴きながら優雅にラッピングとはいきません。
音楽は聴けるのですが、ラッピング中は結構な集中力が必要なようで、息を止めてラッピングしていることが多いです。
6pcsのロッドでスネークガイドに2か所のラッピングとした場合、
7’00”で27か所 7’03”で29箇所のラッピングが必要です。
また、7’03”はフェルール前後等にトリムを入れており、トリムが12か所になっております。
先ほど言いましたように結構集中して巻いているとガイド1か所巻き終えると少し休憩を挟んで呼吸を整える時間が必要なので、今回のラッピングは2日かかってしまいました。
普段はスーパーシルクスレッドを愛用しております。
シルクスレッドの50番であれば一般的な手芸店で入手可能で、様々なカラーを比較的安価で入手できるのですが、やはり50番のシルクスレッドだと太くて繊細さを表現できない部分があるのです。
私個人的な考えなのですが、トリム部分が出来る限り細いのが理想で、100番のシルクスレッドで3回転で巻き留めるように昔から意識してやっており、それが私なりの美意識なのです。
50番のスレッドに慣れてしまうと100番のシルクスレッドで巻く行為をしんどく思ってしまうと思うので、常に100番がデフォルトにしておきたいのです。
ラッピングは沢山巻いて慣れるほどきれいに巻けると信じているので、細い糸で丁寧に巻くようにしています。
また、指定がない限り、トリムを入れるようにして、少しでも技能の向上を目指しています。
ですから50番のシルクスレッドは要望がない限りは使用しないように心掛けています。
ゴッサマーは細いのですが、撚り(ヨリ)が少なく、また、毛羽立ちが多いように感じます。
ラッピング後は、この毛羽立ちを取り除くためにアルコールランプの炎にラッピングスレッド部分を回転させながら短時間かざして、毛羽を焼き切るようにしています。
エポキシの塗布において最も重要なのはエポキシの配合なのですが、そのテクニックについては、過去にブログに掲載しておりますので、時間がある方は探してみてくださいませ。