Hardy Perfect 2 5/8のノブを交換しました。
Hardyのリールのノブの固定ねじは純正ではスリワリ加工されていないものが付いています。
簡単には取り外せません。
これは敢えて外せないようにしているんだと想像するんですが、年代物のリールでは、大半がグリース切れ状態でキュルキュルと音がする気がします。
なぜ、外せない構造にする必要があるのか?
ノブに不具合が発生した場合、自分では対処できなくなるためにメーカー修理となります。
この修理を見込んだ構造なのであれば、ドン引きなのですけどね!
このHardy Perfect 2 5/8は自分のリールで、過去に何度もあったノブ修理で、急ぎの修理の場合、自分のノブを取り外して対応することが多く、自分用のリールのノブがいつもない状態になっていたのです。
少しい時間があったのでノブを作りました。
ハーディーのリールにはノブの下部分にスペーサー(通称:ザブトン)があり、部品構成としては、メタルコア、ネジ、ザブトン、ノブの4パーツで構成されています。
メタルコアとは何ぞや?と思う方に簡単に説明いたします。
ノブとネジの間に介在させたメタルパーツで、このメタルコア自体が細いノブのような働きを着ており、このメタルコアにノブを被せるように接着してノブを作りあげています。
通常のノブにはメタルコアはありません。
私の作製するノブにはメタルコアがあります。
なぜ?部品点数が多いほど加工が手間で値段が上がるのでは?
と思われるでしょう。
確かに値段は上がります。
しかしながら、このメタルコアには重要な役割があるのです。
ノブの材質は様々で、プラスチック、ウッド、動物の角などがあります。
これらの材料はネジ材料である金属よりも熱膨張が大きいのです。
熱膨張が大きいとどうなるかと言いますと室温で問題ない状態であっても高温になると金属であるネジよりもノブは伸びようとするために、ネジに干渉してスムーズに回らなくなったり、反対に低温では隙間が増え、ガタツキが大きくなったりするのです。
これに対してネジと同一材料でメタルコアを作製するので、温度変化があっても同様に伸縮するために、干渉したり、ガタツキが大きくなったりすることはありません。
また、渓流でロッド持ったまま転んでノブを強打し、ノブが破損してもメタルコアを持ってリールを回すことが可能なのです。
と言うことで、出来るだけトラブルがないようにを考えた結果採用するようになった構成なのです。
折角なので、ザブトンも少しおしゃれな形状にして、インパクトを出すために金具類は真鍮で加工してみました。
スリワリネジにより、自分でメンテナンスすることが可能で、グリスアップしたり、汚れを拭き取ったりと、オフシーズンに色々弄り回すのも楽しいと思います。
今回ノブは鹿角を使用しました。
部分的に黄色味を帯びたアイボリーで、古いPerfectリールを彷彿させる形状で、なかなか味わいのあるノブに仕上がったと思います。
実際に古いPerfectリールも現在入院中なのですが、これはエボナイトでの加工を所望されているので、このールのノブを取り外されることはありません。
ハーディーのリールのノブ交換はノブの取り外しに気を使いますが、ノブ交換で結構雰囲気が変わりますので、お気に入りのリールにはお気に入りのノブを付けて楽しみたい。
そんなフライマンにお勧めいたします。
実際にはトラブルによりノブ破損による入院が大半なのですけどね。
材料の指定、ノブ形状の指定等にも対応しておりますので、お気軽にご相談いただければと思っております。