2021年の6月に注文を受けていたグラスロッドがようやく完成いたしました。
それまでは市販のグラスロッドの中から選びだしたブランクを購入して組み立てていましたが、オリジナルのブランクスが欲しくて、加工業者との長いやり取りの末2月の頭にブランクスが完成しました。
1本目は2月開催のハンドクラフト展用に組み上げて、SNSや、このブログでも紹介しました。
注文を受けていたロッドは若草色にして欲しいとの依頼があり、マンセル値3GY7/10という色指定を頂いておりました。
ラッカースプレーを調合してくれるメーカーに若草色の情報を伝え、スプレーを作ってもらいました。
ブランクスは2pcsの状態で表面を軽くサンディングして、表面油分を除去してロッドモーターで回転させながらスプレー塗装を行いました。乾燥後にクリアラッカーを塗装しました。
初めてでしたが、何とか塗装は上手くできました。
ブランク塗装んついては拭き塗りなどのテクニックもあるようなので、その辺もマスターしていきたいと思っています。
ラッピングカラーの決定の際も、スプレー塗装した破片にシルクスレッドを巻いて、色合いを確認してもらって、スレッドカラーを決定しました。
ラッピングはスネークガイド1か所を2か所のラッピングと考えると、30か所
トリミングは39か所になります。
マルチピースになるとラッピングが大変です。
また、今回はブランクカラーとラッピングカラーが近似色だったので、ラッピング時に非常に目が疲れたような気がします。
ラッピング終了後は表面のスレッドの毛羽立ちをアルコールランプで炙りながら除去して、エポキシコーティングです。
エポキシは1回目はスレッドに染み込ませる感じにします。
2回目はスレッドからエポキシがはみ出ないように注意しながらコーティングしていきます。
エポキシ硬化後に表面の細かな突起部(スレッドを抜いた部分)やゲバ立ち部分等のエポキシのムラが出た部分をデザインナイフで削っていきます。
これが結構地味な作業なんですが、これをやらなければ綺麗なコーティング表面になりません。
スレッドによってはアルコールランプで炙った後でも毛羽立ちの多いスレッドが存在します。(特に海外製に多いです)
3回目のエポキシはスレッドから0.5mm程度はみ出るようにコーティングを行ない、スレッドの端部にもエポキシが十分にコーティングされるようにします。
エポキシの状態によって3回で終了する場合もあれば、コーティング状態を確認して4回目を行うこともあります。
コーティング後はリールシートの接着、竿袋の作製を行ない完成となります。
注文から1年と9カ月もお待たせすることになりましたが、希望通りのロッドがようやく完成いたしました。
オリジナルブランクのアクションはショートキャストでもロッドが十分にしなり、リーダーキャストでもロッドの復元力でフライをピンポイントに運んでくれるので、サイトフィッシングにうってつけのロッドになっています。
何度もアクションについてメーカー側と打ち合わせを行い、試作を経て、自分好みのアクションを作り上げることが出来ました。
はじめに言いましたが、2pcs状態で納入していただき、自分でカットしてマルチロッドを作っていますので、2pcs、4pcs、6pcs、8pcsの作製が可能です。
長さについては、6’09”~7’03”まで作製可能です。
短いロッドについてはもっと短くできると思いますが、アクションの確認が出来ておりません。
私好みのアクションにするには上記長さが望ましいと思いますが、色々チャレンジングな長さもやってみたいです。
カラーについては指定色をオーダーしてスプレーを作製すると+6500円程度かかってしまいますが、裏を返せばその値段を出せばご希望のカラーのロッドを作製することができます。
今回のオーダーは、カラー指定、トリミングあり、黒染め等々のオプションがあり、約78000円ほどになりましたが、
昨今の有名ロッドの値上がりを考えれば、比較的リーズナブルにお好みのロッドを作製することができると思います。
何なりとご相談お待ちしております