Buddy Brass KARIN model 99550円
私が作製するリールの中では2番目に高価なリールです。
私が作製するリールの中では1番人気のリールです。
高いと敬遠する人も多いと思います。
でも、一度見てしまうと頭から離れなくなり、このリールとお気に入りのロッドでお気に入りの渓流に佇んでいる自分の姿を想像し、渓魚と一緒に収めた写真を想像しているとこのリールが気になって、その思いは日がたつにつれて大きくなって、自分を抑えきれなくなって気が付いたら注文のメールを入れてしまっていた。
そんな経緯を聞いたことがあります。
皆さんは思い焦がれて少し思い切って購入した製品をお持ちですか?
誰も1つや2つはそんな「清水の舞台から飛び降りる」思いをしながら手に入れたものがあると思うのです。
ずっと欲しくて、やっと手に入れたもの
そういうものは今冷静に考えてみて買ってよかったものですか?買わなきゃよかったものですか?
私自身もずっと欲しかったけれど、どこにも売ってなくて、それで思い切ってあるメーカーさんにお願いしてレイズドピラーリールを作ってもらったことがあります。
その時に、値段はいくらかかってもいいから作ってくださいとお願いしました。
今冷静に考えて、そのリールを買ってよかったかと聞かれると、
良かったのはもちろん、そのリールが私の人生を大きく変えたと言ってもいいくらいの買い物だったのです。
毎日そのリールを眺め、釣りに行き、渓魚と一緒に写真に収めました。
その出来事がきっかけで、自分でもレイズドピラーリールを作ってみたいと思うようになったのです。
モノの価値とはいったい何だろうと思うことも良くあります。
お金とはそのモノを手に入れるための対価ですが、価値とは人それぞれ異なる感覚的なものであって、特に嗜好品であるリールに関してはコーヒーと同じように今はやりのスタバのおコーヒーが好きな人も、インスタントで満足な人も、自分でドリップするのが好きな人もいます。
最近ラジオで聞いたフレーズで耳に留まったものがあります。
「迷う理由が【値段】なら買え、買う理由が【値段】ならやめておけ」と言うものでした。
もう少し詳しく説明すると
その商品の価値を十分に感じているが金額が高くて躊躇っているのであれば、買った方がいいよ!
反対にその商品に価値を感じているわけではないけれども金額が安いと言うだけの理由で買うのはやめた方が良いと言うことです。
先ほど言った「清水の舞台から飛び降りたつもりで買ったもの」に関して、買わなきゃよかったと思ったことが無いので、このラジオで聞いたフレーズは的を得ているなと感じたのです。
価値を感じて、少し無理をすれば手が届くものを手に入れなくて、一体何のために働いて、何のためにお金を手に入れているのか判らなくなるのです。
「安物買いの銭失い」と同じようなニュアンスですが、安さに釣られて買ってみた「ハックル」「フライライン」「ウェダー」「ロッド」「リール」はやはり残念な気持ちになった記憶があります。
値段は高いけれどそれ以上に価値を感じて頂けるモノを提供すればその価値に気が付いてくれる人が現れると信じて、今日も後ひと手間を掛ける気持ちでモノづくりをしております。
携帯を眺めるだけで色んな情報が手に入る時代です。フライ用品もピンキリです。
その中で、残念な気持ちにならないためにモノの価値、買う動機についてもう一度深く考えてみるのもいいような気がします。
安いモノには理由がある。
高いモノにも理由がある。
その理由を少し考えてみると良いと思います。
GW中も手を動かして休みなくモノづくりをしております。
価値あるものを作るために......。