ここに2本のグラスのブランクスがあります。
写真上がアンサンド
写真下がサンド のブランクスです。
サンドとはサンディングのことで、マンドレルに巻き付けて円筒状にしてたブランクを研磨するのか、そのままの状態でブランクにするのかの違いです。
サンド⇒研磨あり
アンサンド⇒研磨なし
(決してサンドイッチと餡子を挟んだサンドイッチではありません)
サンドの方が研磨の手間がある分だけ若干高価になります。
アンサンドは細いテープを巻き付けたような細かな凹凸があります。
手で触った感じもアンサンドはザラザラした感覚で、サンドはスベスベのイメージです。
さて、このグラスロッドの表面状態のサンドとアンサンドがビルディング時にどのように影響するかについては中々情報がないと思うので、ビルディングするときの目線で比較したいと思います。
まずはアンサンドについてです。
私ブランドで作製したブランクはアンサンドタイプにしています。
特に理由があったわけではないのですが、何度も何度も試作するので費用面で出来るだけ安く好みのアクションにしたくて安価なアンサンドにいたしました。
今まで色んなブランクスを組み立てて来ました。
その時の印象を述べたいと思います。
アンサンドは細かなテープをブランクスに巻きつけたような凹凸があります。
この凹凸によって細いスレッドでラッピングした場合は特に気になることがあります。
それは凹凸の頂点を境にスレッドが稜線の向こうに行ったり手前に来たりすることで、頂点部分に隙間が開きやすい事です。
気を付けてスレッドをニードルや爪などで隙間が開かないようにすれば何とかなるのですが、気を抜くと隙間が開いてしまいます。
これがデメリットだと思います。
反対にメリットとしては、細かな凹凸があることで、スレッドが滑りにくく、トリミングなどでスレッド3回転で巻き留めたりするときにスレッドがほつれにくくなると思います。
サンドのブランクのラッピングにおいてのデメリットはアンサンドのメリットの反対になることは容易に想像できると思いますが、ラッピングにスレッドが滑ります。
特にメタルカラーのスレッドがすこぶる滑ります。
トリミングでメタルカラーのスレッドを指定されると泣きたくなるほどほつれてしまいます。
何度もトライしてやっと3回転で巻き留めても、ちょっとしたことでヒラリとほつれてしまうので、メンタルやられながらのラッピングになってしまいがちです。
サンドのブランクのメリットは凹凸がないのでガイドラッピング自体は非常に楽です。
個人的にはサンドとアンサンドのデメリットの無いバンブーロッドが一番楽にいラッピングできるんですけどね。
トリムもブランクの6角のエッジを利用してほつれにくくできますし、トータルで考えるとバンブーが楽ですね。
グラスロッドの場合はアンサンドのブランクに塗装すると凹凸が均されてトラブルは低減されると思います。
依頼品のグラスロッドが完成したら、しばらくはリールの加工に入りますので、しばらくはグラスロッドとはお別れですが、ブランクの拭き塗りテクも習得したいと思います。
バンブーは1本分ブランクスがあるので、時間を見て組み立てようと思います。
5フィート台のショートロッドの#3です。