リールシートフィラーを加工することがあります。
リールフットを加工することもあります。
リールシートフィラーの偏芯加工用の治具も作製しています。
リールシートフィラー(ここでいうフィラーは偏芯加工したタイプのフィラーを指します)とリールフットの接触状態にいついてお話したいと思います。
まず、私がリールを始めて設計した際には、各社のリールのリールフットの形状を観察し、図面化しました。
その際に、リールフット裏面のRは約9mm程度であったため、私のリールのリールフットの裏面Rは9mm設定にしています。
私が作製するリールシートフィラーのリールフットが載る部分のRは11.2mm程度の設定になっています。
このリールフット裏面Rとリールフットのリールフットが載る部分のRの関係は、
リールフット裏面R≦リールフットが載る部分のRでなければなりません。
この条件を満足していれば、リールフット裏面の写真で示す接触領域部分が必ずフィラーに接触するためです。
このリールフット両端の接触領域がフィラーに接触することで、リールフットは安定し、回転しづらくなります。
反対にリールフット裏面R>リールフットが載る部分のRになった場合はフィラーのリールフットが載る部分のRの頂点部分のみがリールフットの裏面R頂点に線接触する状態となり、リールフットの接触が不安定となりグラつきの原因となります。
これらを加味して、リールシートフィラーの偏芯部分のRを決定しています。
また、フィラーを加工する偏芯治具のオフセット量は以下の計算式から求められます。
オフセット量=リールフットが載る部分のR+偏芯加工量-フィラー径/2
実際の数値で算出すると、
オフセット量=11.2+2.5-17.4/2
オフセット量=5mmとなり、私の作製する偏芯治具のオフセットは5mmに設定しています。
余談ですが、リールシートフィラーの作製方法として、円筒状のフィラーにリールフットが載る部分だけが切りかかれたパイプ状のカバーを挿入した2層構造みたいなリールシートフィラーがありますが、あの形状では厳密にいえばリールフットが載る部分のR>リールフットが載る部分のRになってしまいます。
ポケット&リングの場合はフィラー径18mmならば、ほぼ全面でリールフットの裏面が接触する理想形なのですが、リングがリールフットにはフィットしないため不細工な状態になるのが嫌なところです。
ロッドもリールも偏芯治具も加工するからこそ、色々と気づいて、検討してベストな状態を模索することができます。
ちなみにリールシートフィラーが長すぎるロッドほど不細工なロッドはありません。
全体のデザインありきでロッド設計をすべきなのですが、世の中には不細工なロッドのなんと多い事か?