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Cap&Ring&Check納品

数年に一度の注文で、Cap&Ring&Checkを数十個加工することがありまして、そのタイミングで自分用の金具類の加工も同時に行います。

 

Cap&Ring&Checkの加工で大変さから言えば、Capで、これは以前にも言いましたが、連続加工が出来ないから、1個づつ加工するしかないので、大変です。

 

次に大変なのがCheckです。

どこが大変かと言うと、最初にドリル加工して、外形加工を行ないます。

この外形加工は5個同時加工し、ローレット加工も5個分行います。

次に内径の中ぐり加工をしてから、突っ切り加工を行ないます。

 

中ぐり加工と突っ切り加工は使用するバイトが異なりますので、バイト交換をすると、次の加工時にバイト位置調整が必要になってきます。

特に、NC加工すると、バイト位置が異なると仕上がり寸法バラツキとなるので、この調整はシビアなのです。

 

自分なりの出荷基準は目標寸法±0.05以下なので、案外シビアになるのです。

ですから、一度バイト位置調整をしたら、バイトを取り外したくないので、中ぐりバイトは取り外さずに、突っ切りを汎用旋盤で行うようにしています。

 

Checkの加工で、案外大変なのがローレット加工です。

CapとRingは溝内に1mm幅のローレット加工を行なっているので、歩留まりとしては溝内へのローレット加工の方が難しく、歩留まりが悪いと思うのですが、外周の出っ張り部分にローレット加工しているCheckへのローレット加工の方が歩留まりが悪いのです。

ローレット加工で歩留まりを落とす要因の一番は2重ローレットになることです。

 

ローレットを加工するワーク径とローレットのピッチ×Nが一致すれば、2重ローレットになりにくいのですが、ワークの外径ありきで、ローレット加工する場合がほとんどなので、2重ローレットになってしまうことが多いです。

 

また、2重ローレットを無くすためにローレットの押し込み量を多くしすぎると、ローレットの山谷の高さ以上となって、キリコが発生して、そのキリコがローレットとワークとの間に挟まって汚い加工になってしまいます。

 

さて、Cap&Ring&Checkの加工が終了し、検品する際に以前の出荷状態と比較して、どうなのかというのがフィードバック掛からず、結構時間を掛けて、検品し納品しています。

今回の納品後も、クレームがないかヒヤヒヤしておりましたが、無事に納品チェックをパスいたしました。

 

1セットのCap&Ring&Checkを完璧に仕上げることはそんなに難しくありませんが、数十セットのCap&Ring&Checkを完璧に仕上げるとなると、気になる部分はそのまま放置せずに気になるのであれば、手を掛ける。簡単なことですが、なかなかこれが出来ないのです。

 

大量加工することによって気づくこと、効率化の必要性と、時間を掛けることの必要性等々、考えさせられることが多いですが、

効率化のために仕上げ状態が劣るのであれば、効率性を無視してでも仕上げに拘っていきたい気持ちは変えてはいけない部分だと思っています。

 

Cap&Ring&Checkは市販品がありますが、市販品は規定サイズのCap&Ring&Checkに合わせて、フィラーを加工していかなければなりません。

ロッドのデザイン的要素から、フィラーサイズありきの場合は市販品では対応できません。

 

Retro Rod&Reelでは、初期設計費用(約Cap&Ring&Check1セット分の費用)をご負担いただければ、指定サイズのCap&Ring&Checkを試作いたします。

オリジナルデザインのCap&Ring&Checkを作製したい場合は是非ご相談ください。

最低10セットからのご注文になります。