リールのパーツ加工を行なっております。
ノブ用のネジ加工を行ないました。
ハーディーリールはネジに頭にスリワリ加工等が無く、自分でノブを取り外してグリスアップしたりすることも出来ません。
反対に私の加工するノブ用のネジはスリワリ加工を行なっており、ハーディーのようにする割り加工等の無いネジ頭にした場合どのようにして取り付けていいモノやら、判らないのです。
個人的な見解ですが、グリスアップするのも楽しいのです。
自分の手に負えない構造よりも、自分で何とかできる構造の方が楽しいのです。
さて、そんなネジ頭のスリワリ加工ですが、1個づつ地味に加工しています。
もっと大量に生産する必要があるのであれば、加工方法も見直した方が良いのかもしれませんがリール1個につき1個しか必要のないネジなので、地味に加工しているのです。
ネジ頭のスリワリ加工が終われば、加工によるバリや、ツールマークを除去するために研磨します。
この研磨も、他のパーツとの関係で、綺麗にしておこたいのです。
フレームやフェイスプレート、スプール、リールフット等々を研磨していると、他の小さなパーツが輝いていないと嫌なのです。
全てにおいて輝きを持ったパーツを作り上げるためには結構な時間を要してしまいます。
実際はそんな研磨するよりももっと安価なリールが欲しいと思われる方も多いと思います。
最近では、レイズドピラータイプでも安価なリールが出てきております。
でも、そのリールとは全然別モノなんです。
単体でそのリールを見たならば、安価なレイズドピラーリールという印象を受けるでしょう。
欲しいと思う人もたくさんいると思います。
でも、私が欲しいリールはリールの事などよくわからないワーカーが組み立てるリールではなく、ネジ頭の輝きが気に入らないからと、研磨をやり直すようなリール好きの親父が作るリールなのです。
その親父が私なのです。
両方のリールを比べると圧倒的に時間の掛け方が異なることに気が付くと思います。
本当に自分が欲しいと思えるリールを作りたい。
その思いからスタートした小さな工房ですが、その思いは不変でありたいのです。
ほとんどのパーツをこの手で作り上げているからこそ、色んな要望に応えられると思うのです。
また、色んな加工を行なっているからこそ、お客さんの大事なリールの修理も出来るのだと考えています。
小さな工房から世界へ!
というのは大げさかもしれませんが、一つ一つ、綺麗なリールを丁寧に作っていきたいと思っています。
今日も爪の中を真っ黒にしながら、パーツを研磨しています。