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イベントに向けて

私はRetro Rod&Reelを設立した2016年からずっと業務日誌を書いています。

注文や、毎日のトピックスを書きまとめたり、採寸した図面を手書きしたり、アイデアを殴り書きしたりしています。

 

12月になったこともあり、何だか気持ちばかりが焦りだすような感じなのですが今年の最初の仕事はグラスロッドを組み立てていました。

 

ロッドに関してはバンブーでもグラスでもアクションを表現するのは非常に難しく、パラボリックだのプログレッシブだのと言っても何だか理解しにくい言葉でアクション表現には似つかわしくありません。

テーパーのあるロッドはどのようなロッドであってもパラボリックであり、プログレッシブであると思っているからです。

 

ロッドには2種類が存在すると思っています。

キャスティングが楽しいロッドと釣ることが楽しいロッド。

前者はいかに綺麗なループ形状を作り出し、遠くへ飛ばすかに主眼が置かれ、後者は、トラウトをヒットさせて釣り上げるまでの魚体からの振動を楽しむようなイメージです。

この2種類は相いれない部分があり、バンブーロッドやグラスロッドは後者を楽しむといったイメージを持っています。

カーボンロッドのようにロッドの変形量が少なく、復元スピードの速いロッドはキャスティング時に力を入れる瞬間は一瞬であり、この一瞬のタイミングに力をこめ、ホールを入れれば鋭いループでいとも簡単に遠くまでラインを飛ばすことができます。

それに対してバンブーロッドやグラスロッドは相対的にロッドの変形量が多く、復元スピードが遅いので少しぐらいタイミングがずれても、ロッドに負荷がかかっている状態であればラインにパワーを与えることができますが、大きく変形しているロッドからはワイドループが生み出されるため、空気抵抗により飛距離は伸びません。

 

慣性の法則からすれば、飛距離は速度の2乗に比例するため、どうしてもキャスティングのスピードにとらわれがちになりますが、実際にキャスティングをしてみると速度を上げるために力をこめてロッドを早く振ったところで飛距離が伸びることはありません。

それよりもループ形状を意識して、空気抵抗の小さなナローループを形成するキャスティングを心掛けたほうが飛距離は伸びるし、疲れません。

 

で、このナローループを形成するにはロッドの変形量が少ないカーボンロッドのほうがナローループを形成しやすく、それに加え復元スピードが速いのでラインスピードも向上し飛距離が簡単に出でるのです。

 

では、バンブーロッドやグラスロッドで距離を稼ぐキャスティングはどうしたらよいのか?

どうしても通常のキャスティングをすると、ロッドの変形が大きい分だけキャスティングアークが大きくなってしまいます。

ロッドをストップさせてもそこからロッドの完成で更にロッドは大きく曲がるためどうしてもアークが大きくなってしまうのです。

なので、ロッドをあまり振らないようにしています。

キャスティングアークを狭く、その分だけストロークを稼ぐようなキャスティングにしています。

また、アークを狭くする分パワーが小さくなるので、ホールを多用します。

あくまでもロッドを強く振らず、アークを小さくしてループ形状を意識しながらホールでラインスピードを上げていくイメージです。

硬いロッドを強くキャスティングしてロッドを変形させるキャスティングよりも、柔らかいロッドをあまり曲げないようにキャスティングする方ははるかに技術が必要になります。

今まではキャストとホールが50:50と言ったイメージでキャストしていたとすると、キャストを30,ホールを70,と言ったようにその比率を変え、10:90ぐらいにすると、ロッドはほぼ支えているだけで、ロッドを振るというよりもフライラインの軌道を規定するようなイメージとなり、ほとんどアークがない状態になり、ホールでループをコントロールするようなイメージを取得することができます。

この練習をすると、ホールのタイミング、ホールの強さ、ホールのストローク、ホール速度を変化させ、ループ形状を確認することが出来ます。

あくまでもロッドハンドはロッドティップの高さ変化によりループ幅をコントロールするだけのイメージです。

こうすることで柔らかいバンブーロッドやグラスロッドでも比較的ディスタンスを稼ぐことができます。

 

このキャスティングはロッドハンドにあまり力を必要としないため、高番手のロッドでも疲れません。

ナローループで空気抵抗が小さいため、低番手ロッドではほとんどホールだけのイメージでキャストできます。

 

これはキャスト中に力みがないので、優雅にキャスティングしているように見えます。

また、このキャストで、ライン速度をキャストキャストする練習もしてみてください。

ライン速度が遅いほど優雅に感じます。

これぞ、High Speed High Lineならぬ、Low Speed Torque Line なのです。

 

本日は曲がりやすいロッドを以下にキャスティングするかについてお話を....。

違い違う、イベントに向けた加工のお話です。

いつもイベントが終わった時点で、次回はもっと商品数を増やして、展示をしようと心に決めているにもかかわらず、相変わらずの展示数となってしまうので、来年のイベントに向けてコツコツと加工を開始しているのです。

 

イベント時の振る舞いは結構悩みます。

私が見学者の立場だったら、出展者さんからあまり話しかけて欲しくないという思いもあるからです。

自由に見学して、聞きたいことは自分から質問するので.....。と言ったスタンスなので、あまり積極的に声を掛けないほうがいいと思うのが半分、

残り半分は積極的に話しかけてコミュニケーションをとり、もっと商品を知ってもらいたいという思いのあるのです。

 

これらを総合すると、細かな説明をかいたPOP見いたいなものを積極的に取り入れて、客さんの知りたい!をPOPで説明するような展示が必要なのかもしれないと思っています。

 

このW-スタッカーでは、2重構造になっていること、持ちやすいシェイプになっていること。、重量感、2重構造とは判らないようにフレアしたパイプ同士が滑らかにつながっていること。等々を見て頂きたいので、そこら辺をPOPにまとめて商品のそばに展示しておこうと考えています。

 

ロッド、リール、各種Goods類に対してPOPを作成するとゴチャゴチャになってしまうかもしれませんが、必要最低限知ってもらいたいことを見えるような展示にしたいと思うのです。

 

そのためには展示する商品を加工するのが第一なんですけどね!

Wスタッカーに関しては、写真の鹿角バージョン、花梨バージョン、ブラスバージョンエボナイトバージョン等を展示予定です。

各商品数点のみの展示販売になると思いますので、いいものは金曜日中に売り切れてしまいます。

 

このブログ中に加工が完了した展示予定商品を掲載していきますので、お気に入りの商品がありましたら、イベントを待たずに購入可能です。

実質あと2か月です。

それまでにロッドやリール、小物類を何とか充実させていこうと思っています。