私は両軸リールが好きで、中でもリール本体が小さく見えるレイズドピラータイプが大好きで、リールの加工を独学で学んできました。
各種SNSやブログ等で出来上がったリールやパーツ等を紹介しているとやがて色んなフライマンからリールの修理を依頼されることが増えてきました。
特に、Bill Ballanに代表されるメーカー自体が無くなってしまったリールの修理が多いです。
メーカーは存続していても、殿様商売をしている某大手メーカーは修理代、パーツ代が高いので、そういった女エーカーの修理依頼も多いです。
修理は儲かりません。
ノブ1個の修理では、高くても5000円程度なのですが、今まで加工していないサイズだったりすると、部品の計測、図面化、加工プログラム作成、加工、組み立て調整等々で、下手をすると1日仕事になったりすることもあるのです。
修理が多く入ってきても、1か月間修理だけというほどの仕事量ではないので、修理だけで生活が成り立つとは到底考えられません。
ではなぜ、儲からないフライリールの修理を引き受けているのか?理由は3つあります。
① 修理を通じて自分の技術力をアピールしたい。
たとえネジ1個であっても、技術力をアピールすることは出来ます。丁寧な仕事ぶりは一瞬見ただけで判るのもです。
② 修理できなくて第一線で活躍できないリールを無くしたい。
私が初めて購入したリールは、すぐにセンターシャフトの付け根がグラついてしまい、いつの間には使わなくなってしまいました。
コレクションで集めるリールは良いのですが、故障して使えないから眠らせているリールは何だかかわいそうに思えるのです。
③ 修理は基本的にリールを分解することがほとんどで、色んなリールの内部構造を勉強する機会になるのです。
メカメカしいリールや至ってシンプルな構造のリール、重要パーツにプラスチックを使用していたり、有名メーカーの割に雑な加工をしていたりと、色々な気づきや構造を目の前にしていると、非常に勉強になるのです。
以前お話したことがあるのですが、両軸リールに使用されているエボナイトは、エボ焼けと言う現象があります。
これは簡単に言うと紫外線によりエボナイト表面にダメージを受けているのです。
買ってからあまり使うこともなく、コレクションとして大切に保管されていたリールのエボナイトがいつの間にか輝きが消え、くすんだ黒になってしまうのです。
購入した時点では、ピアノの表面のような輝きがあったのに.....。
そういった思いをされる人も多いかもしれません。
このエボ焼けはごく表層部分だけのダメージであり、少し研磨をすれば復活するのです。
では早速やってみようとは思わないでください。
磨くと言えば「ピカール」を思い出す人が多いと思います。
私の認識では「ピカール」は中間磨き剤のイメージなのです。
ピカールではピカピカにはなりません。
大体#4000程度の印象です。
ここから更に番手を落として磨いていくのです。
SNSでバーミンガムタイプのリールを装着したバンブーロッドの横に横たわった散らうとの写真等を見つけると嬉しくなりますが、同時にそのリールを
拡大して観察してしまうのです。
中には表面がハンドルと擦れてしまって円周状に擦り傷の入ったものや、輝きを失ってしまった表面のリールが結構あります。
エボナイトであれば、各部分の採寸を行ない、同様の寸法のモノを作り直すことも可能です。
再研磨することももちろん可能です。
キズは勲章かもしれませんが、くすんでしまって表面は勲章でしょうか?
綺麗に輝きを取り戻して、再スタートするのも良いと思います。
また、フルーガーのメダリスト等の安っぽい塗装を剥がして使用しているのも見かけます。
綺麗に塗装を剥がして、綺麗に研磨したりするのも得意です。
修理だけではなく、磨きや、再作製、パーツの加工等も可能です。
気軽に相談できる街のフライリール修理屋さんを目指しております。