SUSEX Salmonリールの修理を行ないました。
症状としては、リールフットがガタついているとのことで、リールを送付いただき、内容を確認すると、フットは本体にカシメられており、このカシメが緩んでいるようでした。
当方ではカシメが出来ないので、カシメ周辺をポンチで叩いて、一応ガタツキは収まったのですが、簡単な補修はすぐにボロが出ます。
オーナー様と相談し、カシメ間にネジを追加して補強するという案で一致しました。
カシメは取り外さない状態でネジを追加します。
まず、カシメ間にケガキを入れて、センタードリルでセンター出しを行ないます。
ネジはM3皿ネジを使用します。
M3の下穴のφ2.4mmのドリルで貫通穴を開けていきます。
バイスに布を挟んでリールをクランプしてドリル加工していきます。
φ2.4mmのドリル穴なんかすぐに開くのですが、そこは人様から預かっているリールなので、何度も平行だし等を行い慎重に作業を行ないます。
リールフットの厚みが5mm、本体の厚みが4mmです。貫通したφ2.4mmドリル加工の後は、φ3.2mmのドリルで深さ4.5mm程度まで穴加工します。
続いて皿ネジが収まるように90°の座グリ穴加工を行ない、皿ネジがリールシートに接触しない状態まで加工を行ないます。
M3のタップ加工を行ないリール側の加工は完了です。
M3の皿ネジの頭部分を一部加工を行ない、座グリ部分に綺麗に収まるようにして、ネジ止めして完成です。
ガタツキもなく、安心して使用できると思います。
修理のやり方としては、今回の穴追加でネジ止めする方法やカシメ部分を取り外して度の穴を利用してネジ止めする方法等が考えられますが、今回はカシメを取り外して後の穴形状、穴サイズが判らなかったので、ネジ穴追加で対応いたしました。
現在このリールの修理以外に4台のリールの修理が来ております。
中には結構大変な修理もあり、知恵を絞りながら何とか対応しているところです。
現在は2月のハンドクラフト展に向けてリールやGoodsの加工に時間を掛けており、修理は後手に回っている状態ですが、なんとか時間を見つけて、あまりお待たせしないように修理を行いたいと思っております。