Hardy OLD Reelの修理依頼がありました。
修理は2か所
①ピラーのネジの加工(リールフット部分のネジ頭が欠けている)
②リールフットの加工
まずこのリールの構造として、ピラーやリールフットは写真の側から貫通ネジで奥側のフレームに固定するタイプのネジが使用されており、約25mm長さ程度のネジで固定されています。
ネジはUNC-No4です。
リールフットは加工された形跡があり、フット裏面のRが大きく、通常のロッドに装着できないとのことでした。
と言うことで、ネジとリールフットの加工を行ないます。
まずネジですが、UNC-No4は以前に加工した際のねじ切りプログラムがあるので、テスト加工して、リールにうまく装着できることを確認して、実際のネジ加工を行ないました。
まずネジ部分だけ6mm程度加工した後全体の形状に沿って加工を行ない、最後にネジ頭部分の形状を模して加工を行ない、スリワリ加工して、黒染めを行ないました。
リールフットはフット部分のピラー径が5mmであり、ネジ径が約2.75mm程度、2つのフットピラー間ピッチが21.5mmです。
通常のフットのピラーを支える部分をR2.5mm ピッチ21.5mmの加工プログラムを変更して加工を行ないました。
ブラスのフットを希望されていましたので、ブラスで加工を行ないました。
フット裏面のRは9mmに設定しており、どのロッドにも装着できると思います。
また、リールフットの2本のネジを加工して取り付けております。
今までのネジ1本が予備用になりますので、安心して使用できると思います。
純正のリールフットには一切手を加えていませんので、簡単に元の状態に戻すことも出来ます。
OLDリールですが、ガンガン使用できる状態になったと思います。
結構重量にあるリールで、良い雰囲気なのでバンブーロッドに合わせて使用すると味わい深いのではと思います。
お気に入りのリールでも、使えないのであれば意味がありません、
実際に使用して、今までの歴史に自分の歴史を重ねていってこそのアンティークリールだと思うのです。
昨年のシーズン終了時点でリール修理が結構舞い込んできて、年明けも、解禁が見えてきたためか修理が結構な勢いで入ってきております。
ハンドクラフト展ための展示品確保のため、これからはモノづくりに重点を置いていきたいと思いますが、修理も引き続き受け付けますので、何なりとご相談ください。
引き出しの奥にあるリールを今年は最前線の渓流に連れ出しましょう。