久しぶりにファールドリーダーを作製しました。
かれこれ20年以上ファールドリーダーを使用してきました。
ナイロンリーダーも使用していました。
明らかにどちらの方が良いと言う訳ではありません。
どちらにもメリットとデメリットがあります。
ナイロンリーダーのメリット
・どこでも手に入る。
・天候に左右されない。
ナイロンリーダーのデメリット
・巻き癖がある。
・剛性が高すぎる。
ファールドリーダーのメリット
・巻き癖がない。
・剛性がない
ファールドリーダーのデメリット
・雨の日は使いづらい
・ターンオーバー性能が良すぎてメンディングが難しい。
この中で両者で相反する項目として、巻き癖と剛性の問題があります。
ナイロンリーダーを袋から取り出すとグルグルに巻かれた状態になっています。
これを解いて引っ張りながら伸ばしますが、リーダーがストレートになることはありません。
螺旋状に巻き癖が付いています。
当然ながらこの状態でナイロンリーダーのバット部分を手に持ってキャストしてもループは出来ません。
キャストする動作による運動エネルギーよりも巻き癖の方が強く、ループが生まれないのです。
一方、ファールドリーダーの方は剛性がなく、巻き癖がないのでバット部分を手に持って、キャストするとループが出来るのです。
キャスティングでアキュラシーの練習をすることがあります。
直径30cm程度のリングを置いて、離れたところからリング内にフライを落とすように練習するのですが、
ナイロンリーダーでアキュラシーを高めるキャストをしようとすると、オーバーパワーのキャストになりがちです。
これは、実際の釣りのようにソフトプレゼンテーションしようとすると、リーダーの巻き癖の影響で、最後にフライが着水する直前に螺旋状に巻き癖の付いたリーダーによってティペットにスラックが入って、最後の最後にフライが目標からズレてしまうのです。
ですから、リーダーの巻き癖を打ち消すように強めのプレゼンテーションをすることで、目標のリングには入りやすくなるのですが、このキャストは実践では水面を叩いてしまい、まともな釣りにはなりません。
ソフトプレゼンテーションでもリーダーの巻き癖の無いファールドリーダーの場合は巻き癖によるティペットへのスラックが入らないので、ロッドの軌跡に沿ったプレゼンテーションが可能になります。
プレゼンテーションされたフライは水面にのり流れていきますが、ナイロンリーダーの場合、水面上でコイル状になったリーダーはバネのように働き水面の動きにより伸び縮みするリーダーと言うバネに引っ張られてティペットは動くためその影響を無くすためにはロングティペットが不可欠になってしまうのです。
ロングティペットにするとさらにアキュラシー性能は低下し、トラウトの頭上を何度もたたいてしまい、釣れなくなってしまうのです。
個人的には、一発でポイントにフライが入れば80%の確率で釣れるとしても、2回目になると40%、3回目になると20%と言うように釣れる確率は低下するようです。
ファールドリーダーの場合はリーダー自体に巻き癖がなく、水面上ではティペットと同じように流れるのでティペットを引っ張ったりすることが無いのでリーダーは短くても、リーダーとティペットを合わせた長さが、ティペットと同じように流れるのです。
すなわち、6.5fのリーダーに5fのティペットを繋いだシステムだとした場合、全長11.5fなので、アキュラシーは向上し、ピンポイントにフライをう打ち込むことが可能です。
また、フライは全長11.5fのティペットに繋がれたように流れるので、ロングティペットのように流れ、ドラグがかかるまでの時間を稼ぐことができるので、その間にトラウトがフライを見つけ、アタックするに十分な時間があるのです。
雑誌やビデオ等ではロングティペットの攻略法や、ロングティペットに適したロッドの特集などロングティペットありきで編集されたものが多いのですが、そんな確率の低いアキュラシーでたまたま良い所にフライが入ったら釣れますみたいな受動的な釣りに面白みを感じないのです。
また、私個人としてはロングティペットに適したキャストと言われている舟形ループのキャストが嫌いなのです。
舟形ループのキャストこそがオーバーパワーのキャストで、フライラインの運動エネルギーが有り余ってロッドのティップ部分を強引にお辞儀させてしまうために発生するキャストであり、ループ形状も醜いし、優雅なキャストには見えないのです。
バンブーロッドに高負荷を掛けてキャストするのではなく、ソフトプレゼンテーションのゆったりキャストでもピンポイントにフライは入り、ナテュラルドリフトするので、一発で目標ポイントにフライを打ち込み、高確率でトラウトをヒットさせる能動的な釣りに魅力を感じるのです。
一発でポイントに入ればフライどんなフライでも比較的良く釣れると思いますが、自然界にない発色の目印が付いていないフライであれば問題ないと思います。
ショートキャストでピンポイントを狙えるので、目印がなくてもフライをどこに打ち込んだのか自分で判っているので、フライを見失うことがありません。
目印があることでトラウトが懐疑的になりフライと一緒に流れながら、やがて警戒して逃げていく姿を何度も経験しています。
優雅に釣りたい。ショートキャストでピンポイントにフライを打ち込み、ヒットさせたい。
ファールドリーダーの釣りを20年位以上やってきて、それに合うアクションのバンブーロッドやグラスロッドを開発してきました。
ファールドリーダーも5f、6.5f、8f、9.5fと色々使用して、テーパーも変えたりしながら試行錯誤していましたが、現在は6.5fが一番しっくりと来ています。
このリーダーに対して、ティペット長さを色々と変えて実釣して自分の扱いやすいティペット長さを求めていくのが良いと思います。
最初はティペット長さ3f程度でも問題なく釣れます。
余りティペットが短いとメンディング時にパワーが伝わりやすいためにフライまで動いてしまうことがあるので、メンディングしやすい長さで最適長さを求めることをお勧めいたします。
ファールドリーダーにいはデメリットもございます。
しかしながら、そのデメリットに目をつぶってでも使用したくなるほどのメリットがあるというのが私の率直な感想です。
ファールドリーダーをここまで解説しているものを見たことがありません。
雑誌やビデオやyoutubeなどの情報だけに惑わされず、優雅なフライフィッシングをしたいと思いませんか?
私は奈良県天川村をホームにしています。
お近くの方は是非一度簡単に釣れる釣りをご一緒して実感してみませんか?