平日はリールの修理作業や加工依頼のモノづくりをやっていて、週末になると2日間は田んぼや畑での農作業の日々が半月続くとなんだか気分も上がらないことがあります。
まだ私が九州に住んでいたころ、親父とお袋も平日は同じところに働きに行き、週末は田んぼや畑作業をしており、良く手伝わされておりました。
日曜日しか休みのない学生時代に農作業の手伝いをすると、気分が上がるはずもなく、わたしは、親父やお袋は何が楽しみて暮らしているんだろうとその時は思っていました。
趣味もなく、いつでも仕事ばかりしている親たちを尊敬はしていましたが、そんな大人には絶対になりたくないと思っていましたが、
今、まさに私は昔大嫌いだった大人になっているんです。
何が楽しくて暮らしているかといえば、家族が元気で、たまに釣りに行ければ十分満足なんですが、それ以上を求めようとするのが欲望なんですね!
さて、忙しく働いているとそれを知っているかのように、修理依頼や注文が入ってくるような気がします。
この2週間余りで以下のお修理対応を行ないました。
1)ATHリールの巻き方向変更
2)Perfectリールのカシメたリールフットを抜いてネジ留め仕様に
3)Sportcfaftと言うアンティークリールのノブ加工
4)ORVIS CFOのラインガードネジ加工
5)以前修理したFeatherweightリールの補修
6)ORVIC CFO ノブ加工
7)ROSS Evolution ドラグ部分の脱脂
8)HARDY Uniqua スプール割れの修理(対応中)
それ以外にリールシート金具の試作対応、偏芯治具の加工、リールの注文対応、アメリカからのロッド注文対応等々色んな事が一気に押し寄せた感があります。
リール修理は8台中7台は対応済みで、残り1台は結構重傷でまだ入院中です。
上記7台の修理依頼対応後にその中の1人の方より、Buddyリールの注文がありました。
現在の在庫の写真を送付させていただき、Buddy Marble Ebonite Modelを注文頂きました。
右巻き仕様とのことで、S字ハンドルも変更して対応いたしました。
S字ハンドルの向きが写真のような状態で左巻きとして使用することに違和感がありますが、PEERLESSリール等にはこの違和感だらけのS字ハンドルが良くあります。
日本人と欧米人との感覚の違いなのか判りませんが、写真のようなS字ハンドルならば右巻きとして、左巻きの場合はS字ハンドルを反転させたいのです。
PEERLESSリールはカウンターウェイトがカシメられているため簡単ではありませんが、カウンターウェイトだけを作り替えればS字ハンドルの向きを変更することは比較的簡単にできます。
もし違和感をお持ちのフライマンが居ましたらご一報ください。
以前から何度も申し上げていますが、フライリールの修理に関して、修理に掛かった時間分を請求すると結構な請求費用になってしまいます。
それでは折角の修理を諦めてしまいそうになると思うので、出来るだけリーズナブルにい修理できるように心掛けています。
その修理の技術を確認していただき、信頼を得たら自然にリールへの注文も増えていくだろうと考え、修理は自分の技術をアピールする場だと考えていました。
そのような地道な取り組みが種となり、ゆっくりと芽が出て、葉が伸び、開花し、実を付けていくと考えていましたが、ようやく、少し実が付き始め出したのかもしれません。
これからも修理を大切にしながら、自分が欲しいと思えるリールを作り続けていこうと思っています。
そうそう、アメリカからの注文は、5月に京都でお会いしたアメリカのフライマンからの注文です。
実際に私の作ったロッドを目にして、そして注文頂いたことが何よりもうれしく感じます。
どうやら私は欧米人がやりたがらないようなチマチマした細かな作業が好きな人種のようです。
そうこうしている間に修理依頼が2台舞い込んできました。