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Buddy Whiteshell

リールの顔と言えばFace plate

今まではエボナイトやBi-Metal、花梨等で作製しておりましたが、アイボリーのBuddyリールを作製したあたりから、自分好みでなく、どんな材料も選り好みせずにトライしてみようと思えるようになり、Buddy Blueshellと同時進行で、Buddy Whiteshellも加工しておりました。

 

このFace plateもメタクリル酸メチルエステル樹脂で白蝶貝に似せているようなイメージです。

 

エボナイトの漆黒から真珠のような白いフェイスになることで、重厚感から軽快なイメージに変わります。フォーマルからカジュアルと言う表現がピッタリです。

この軽快なイメージは、夏のゲーターの釣りに通じてると思うのです。

ウェダーを履かずに、ジャブジャブと水を蹴散らしながら、ラニヤードにはティペット、フォーセップ、ラインクリッパー。フロータント(勿論フロータントケース)、小さなフライボックスを携えて、出来るだけ最小限の持ち物で、軽快に釣りをしたいと思うのです。

小さなフライボックスには、数種類のフライだけで、サイズ的にも#12程度の良く目立つフライで釣りたいですね!

 

このリールは#3ラインを想定して作製しており、DT-3F+30y程度のライン容量です。

リールの重量は98gとレイズドピラータイプのリールの中では軽量なリールとなっています。

この重量であれば、バンブー、グラス、グラファイトなど、色んな選択が可能です。

 

中でもFace Plateのイメージに合うのがグラスロッドです。

同じような白いブランクにスケルトンのラッピングをしたグラスロッドとの組み合わせが夏にイメージにピッタリなのです。

 

写真のロッドは6'06" #2 5pcsです。 ラストのブランクで、短いロッドにありがちなピンピンのアクションではなく、グリップの中まで曲がりを感じられるアクションになっています。

ピンピンのアクションのロッドはリーダーキャストの際にロッドに負荷がかからないために強引に素早いフォルスキャスト繰り返し、慣性でロッドを曲げるキャストになってしまいます。

このせせこましいキャストが私は嫌いなのです。

フライキャスティングは優雅でなくていけないのです。

リーダーキャストでもロッド自体が自重により撓んで、その復元力にラインを乗せてキャストすることができるこのロッドではショートキャストでもゆったりとロッドをキャスティングすることができるのです。

 

ゆっくりとしたキャストから展開していくループがリーダー、ティペットへと伝搬され、少し大き目のフライを水面へと運んでいきます。

ふわりと流れに落ちたフライを水中からゆっくりとスローモーションのようにアマゴが浮かび上がってきます。

 

早合わせしてすっぽ抜けないようにじっくりと観察しながらゆっくりとフライを口に含んで反転する姿を見届けながらロッドを起こすと同時にホールと同様にラインを引きます。

凄いトルクで水中へと潜ろうとするアマゴに最初は少しラインを送り出し、最初のダッシュをやり過ごし、ゆっくりとロッドを立てながらラインを引き寄せます。

グリップに中が曲がっている感触を味わいながらよっくりと寄せてきます。

アマゴが頭を振るたびに柔らかなグラスロットのティップはその動きに追従しそのたびにグリップに感じる生命感。

ネットで優しく魚体をすくい、疲れたアマゴの写真素早くを1枚だけ記念に残し、優しく流れに返す。

 

そんなシーンを思い描いてしまうロッドとリールなのです。