2023年の2月のハンドクラフト展のイベント中に1通のメールがカリフォルニアからありました。
Glass RodとBuddy Brass 花梨のリールの詳細を知りたいとのことでした。
イベント中だったので帰宅後にGoogle翻訳と格闘しながらメールしたのをよく覚えています。
日本時間に対してカリフォルニアの時間は-16時間であり、確実に2人が起きている時間は結構限られています。
海外とのやり取りは時差の影響もあるため、中々レスポンスが良くない状況となるので、出来るだけすぐに対応するようにすることと、細やかに状況報告するのが大事だと思っています。
海外への発送に関しては、娘が留学していたこともあり、何度か荷物の発送を行なっていたのが良い経験となっていました。
また、金銭の受け渡しに関してはPay Palで行うことで安心できる取引が出来ております。
Glass RodとBrass 花梨リールは無事に発送完了し、その後も何度となく、私の作品を購入していただいております。
海外との取引でトラブルもありました。
その後別のGlass Rodを発送したときの事です。
現地に到着し、開封した際に、ロッドの第4セクションのFemaleにクラックが入っていたのです。
ロッドを返送していただき郵便局とトラブルのやり取りがあり、約2か月後に発送時に加入していた保険が適応されたのでした。
この時も色々と迷惑を掛けてしまったのですが、それでも私の作品を気に入って頂きており、非常に嬉しく思っています。
「神は細部に宿る」と言われるように、小さなことまでこだわる日本人特有の繊細さに気づいて頂いている大切なユーザーさんなのです。
アメリカの釣りと言うと20インチを超えるようなレインボーを釣るイメージがありますが、日本と同じで、本流の大物狙いの釣りもあれば、現流域のイワナやヤマメを釣るような釣りもあります。
#3のGlass Rodは柔らかく、繊細なロッドなので、どうなのだろうかと思っていましたが、今回写真を送って頂き、そのロケーションを確認すると結構小規模な渓流で、ポイントも見極めやすそうな景観でした。
岩が大きいので遡行は大変そうですが、日本と同じ感覚で釣りが出来そうなイメージを持ちました。
このような渓流では10y以下のキャスティングでピンポイントにフライを打ち込む釣り方が多用されるため、ロッドの自重でロッドが曲がり、ロッドの復元力でフライラインをポイントまで運ぶロッドが疲れません。
フォルスキャストを何度もしないとロッドに負荷がかからず、強引なフォルスキャストを繰り返す釣り方は私の好みではないのです。
ロッドを振るという意識よりもいかにロッドをストップさせるかに主眼を置いたキャスティングで、ゆったりとしたキャスティングが好きなのです。
そうすれば無駄な力は入らず、疲れずに釣りを継続できるのです。
8インチ程度の渓魚でもロッドが結構曲がり、その追従性の良さからバラしにくく、それよりも大きな魚体ではグリップの中まで曲がりを感じ取れるほどで、思わずにやついてしまうほど取り込み時は楽しいのです。
このGlass Rodは1999年から作製し始めたバンブーロッドで何度もテーパーデザインを変更しながら自分好みのアクションのバンブーロッドをGlass Rodで再現したいと思い、これもまた何度も試作を繰り返したどり着いたアクションなのです。
バンブーロッドを使っても、Glass Rodを使っても同じアクションなので、いつもと同じようにキャスティングを楽しむことができます。
比較的遡行しやすい里川であれば、バンブーロッドで、山岳渓流ではGlass Rodと言ったように目的に応じて使い分けて頂けると良いと思っています。
私がデザインしたGlass Rodやリールが色んな国で色んな思い出と一緒に歴史を刻んでいると思うと感慨深いです。