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G-Ballad Part 2

9月になり、グラスロッドの組立が続いています。

グリーンのブランクはEPICロッドで、ブランク持ち込みの組立依頼でした。

昨日無事に発送完了しました。

 

さて、平行して進めていましたオリジナルブランクのG-Ballad 7'03" #3 6pcsのラッピングも終わり、エポキシコーティングも完了しました。

 

このロッドは注文ロッドで、淡いブルーを希望されていました。

手持ちのブルーは濃いブルーだったので、Blue ,WhiteのAlternating wrapping(交互ラッピング)で淡いカラーにするのはどうですか?と提案し、実現したものです。

 

交互に巻くだけと言われればそれまでなんですが、これが結構大変なんです。

最初Blueを3回転した後にWhiteを加えて交互に巻いていくのですが、単色でラッピングする2倍時間が掛かります。

また、スレッドカラーの異なる2色なので、ラッピング時のスレッドの間隔などがくるってしまうとすぐに目視で判ってしまうので、結構気を使ってラッピングしています。

 

ラッピング直後とエポキシコーティング後の比較写真なのですが、エポキシ後の方がWhiteスレッドが透けて、より明確なコントラストになります。

交互ラッピングのピッチが細かいのでモアレ現象が起きていますが、綺麗な均一ピッチでラッピングできていると思います。

少し離れるだけで、ラッピングカラーは淡いブルーにしか見えませんが、実はよくよく見るとAlternating wrappingになっているとことがミソなんです。

単色ラッピングに見せかけて、Alternating wrappingで実はトリムも入ってる。

このような細かな、わかる人のみ凄さが判るような芸当と言うのが好きです。

 

このラッピングに関してもエポキシ2回塗布後に細かなスレッドの切れ端に起因するエポキシの凹凸やスレッドの毛羽立ち等によるエポキシの乱れを全て目視確認しながらデザインナイフで凹凸部を均して、均一にエポキシがコーティングできるようにしています。

こういった細かな手作業と言いうのは、大きなメーカーが一番苦手として、やらない作業なので、大手メーカーと競い合うにはそういったニッチな部分を敢えてやっていくことで差別化を図っていかないと生き残るすべがないのだと思ったいます。

 

設備やコストでは敵うわけないのですから、大手メーカーのできない細かな、丁寧な作業で、仕上がりの圧倒的な違いを見せつけなければなりません。

そのためには、労力を惜しまず、手仕事の奥深さを盛り込んでいくことが大切だと思っています。

 

リールにしてもロッドにしても弱小メーカーだからこそできる領域の仕事があると思っているのです。

その細かなことに気が付いて、それを理解したうえで注文していただけることが、私にとっての幸せなのだと思っています。

 

このグラスロッドのスレッドカラーを淡いブルーにしたいとオーダー頂いた理由は、Buddy Blueshellと合わせたかったという理由からだったのです。

 

白いブランクに淡いブルーのラッピングスレッド

白いノブに淡いブルーのフェイスプレート

 

組み合わせて装着した時の一体感を想像しながら作製したグラスロッドです。

 

これこそRetro Rod&Reelのなせる仕事だと思うのです。

 

Fly Fishingは自己満足を得る趣味だと思います。

大好きなFly Fishingをお気に入りの道具に囲まれた優雅な時間を過ごす。

ゆっくりと流れる時間の中で、ゆったりとしたリズムでフライラインがロールオーバーして、ピンポイントに吸い込まれるように着水し、何の疑いも持たない無垢なトラウトが浮上してくる。

 

この時間こそが至福の時間であり、幸せな瞬間なのです。

この幸せのお手伝いができることが私の幸せなのかもしれません。

 

2024年の釣りシーズンも終わりを迎えようとしています。

今年は五十肩の影響で5月以降釣りに行けていませんでした。

オフシーズンは長いので、ゆっくりと肩を直し、来年に向けて良い準備をしておこうと思います。

 

最後にロッドやリールの修理を依頼される方にお願いです。

いきなり見ず知らずの方から電話されるよりも、各種SNS等で繋がりのある方からの依頼の方が安心できるので、

出来ればFacebookのRetro Rod&Reel Homeまたは、InstagramのRetro.Rod.Reelをフォロー頂けると嬉しいです。

ご協力のほどよろしくお願いいたします。