オリジナルブランクの組み立てを行っています。
稲刈りなどで疲れた体にはこの静かな作業はいいように思うのですが、このモデルもAlternating Wrapping(交互ラッピング)にしたので眼精疲労からくる肩こりと力仕事の疲労の残りが相まって肩バキバキ状態で辛い時間を過ごしています。
さて、今回のAlternating Wrapping(交互ラッピング)はダークブラウンとライトピンクと言う結構攻めた取り合わせで巻いています。
今までの経験上Alternating Wrappingは濃いカラーと薄いカラーのコンビネーションでなければ目が追従しないことが判っていまして、薄いカラーのホワイトは結構使っているので、少し変わった組み合わせで試したかったので、何回かラッピングテストを行いこの組み合わせとなったのです。
一番難しいグリップ先端部のラッピングの状態を順を追って撮影しました。
本当は手を放すことすらストレスなので写真など撮影したくはないのですが、実績として残しておくことも必要かな思い、手を止めて撮影しております。
まず、ワインディングチェック代わりにゴールドのスレッドを数巻きしてからAlternating Wrappingを行なっていきます。
フックキーパー部分は結構手間がかかりますが、このフックキーパーとこのラッピングが好みです。
ブラウンとピングのトリム部分はそれぞれ3回転で巻き留めております。
一般的に言うスレッドの番手は今シルクスレッドは#150~160番に相当します。
これ以上細いシルクスレッドはお目にかかったことがありません。
グラスロッドの場合従来まではエポキシ塗布後にウレタン樹脂を塗布していましたが、使用していたメーカーが製造中止となり、グラスロッドに関してはエポキシを重ねてフィニッシュにするようにしています。
このメンドクサクテ、カタガバキバキになるラッピングは時間が掛かるんですが、時間が掛かり、めんどくさいが故にやっていかなければいけないという変な使命感を持ってラッピングしています。
何度もこのラッピングをし続けているとその内このラッピングが日常となり、生活に溶け込んでいけばしめたものなので、継続して巻いていこうと思っています。
さて、肝心のロッドの仕様ですが、
7'03" #3 6pcs で、ラインを通していない状態でロッドを軽くキャストするとロッドをストップした後に少し遅れてティップが戻ってくるようないわゆるスローアクションのロッドです。
少し遅れてティップが復元するので、ラインを通してラインの負荷がかかっているとその復元時間はもっと掛かります。
なので、ロッドのストップ後に遅れてティップが復元するまでの間に、しっかりとポーズが取って我慢できるある程度キャスティングテクニックのあるフライマンでなければ上手にキャストするのは難しいかもしれません。
反対にこのロッドを使いこなせるフライマンは上級者と言うことの裏返しでもあります。
このグラスロッドは、私が四半世紀求めてきたバンブーロッドの一番好きなアクションんをグラスロッドで再現したロッドなので、私個人はバンブーロッドから持ち替えても違和感は一切なく、、源流域でバンブーロッドでは遡行に支障が出そうな場合に背中に忍ばせているグラスロッドです。
ラッピングだけをああだこうだと言っておりましたが、全体の感じはこんな感じです。
ロッドネームは書いておりません。
Cap エンドにRetro Rod G-Ballad 7336と彫り込んでいます。
パット見た目は非常にシンプルでブラウンのラッピングにしか見えませんが、よく目を近づけてみると手の込んだラッピングが見えてきます。
フライラインがそんなに出ていない状態でも、ロッド自体の重量による復元力にのせてリーダーを綺麗にターンオーバーしてくれます。
無理に早くフォルスキャストすることで強引にロッドティップを曲げてキャストするようなせせこましいキャストは必要ありません。
ゆっくりとロッドを振るというよりも、いかにストップさせるかと言うことに気をつけて、ロッドが十分に復元するまでポーズを維持して、ゆったりとバラードのようなリズムで大人のキャスティングが出来るロッドと言うことで
G-Ballad(グラスのバラッド)と名付けています。
なかなかグラスロッドのマルチピースで自分の好みのアクションのロッドに巡り合うことが無かったので、時間を掛けてメーカーとやり取りして、ようやくこのアクションにたどり着きました。
Buddyとの組み合わせで大人のフライマンの優雅な時間を楽しんで欲しいと思っております。