冬至を過ぎ、すぐにクリスマスが近づいていますが、冬至に向かって日が短くなっていくよりも、冬至を過ぎ、ほんの少しずつでも日が長くなる方が気分的には晴れやかな気がします。
さて、硬化時間に組み上げていたグラスロッドの発送も終え、バンブーロッドの製作の続きに入ります。
バインディングを外した後の接着剤の削りは平目ヤスリで行います。
私の個人的な考えですが、モノづくりに関しては、使用ツールが少なく、ローテクなほうがいいのではないかと思っています。
使用材料に関してもどこでも手に入るような材料構成にすることが望ましいと考えています。
そういう意味で言えば、洋カンナに関しては、仕上げ用カンナ1本で粗加工、仕上げ加工を行ない、スクレッピングや接着剤の削りは平目ヤスリで行い、スクレッピングプレーンなどは使用していません。
ロッドのコーティングも和信の1液性の油性ニスを使用しています。
これは、どこにホームセンターでも手に入るからです。
また、コーティングはディッピングタンクではなく、筆塗りで行っています。
これは、使用するウレタン量を極力減らしたいとの考えからです。
製作本数がそんなに多くはないのでディッピング方式では廃棄するウレタンの両が多くなり、環境面で自分のやり方には合わないと思っているのです。
それはそうとして、平やすりで表面の接着剤を削り、サンドペーパーで面を仕上げ、最後にスチールウールでっ表面を研磨します。
最終の曲がり直しを行ない、コルク接着、グリップ成形を行なっていきます。
コルク成形はまず、旋盤に固定して突っ切りバイトで最終径+1mm程度まで削り、その後サンドペーパーでサンディングしていきます。
最終は#800程度で仕上げています。
Ferruleに関しては、自作しています。
最初に外形加工してからドリル加工、リーマー加工しています。
ある程度のすり合わせを行ない、ブランクへ接着します。
Ferruleは、スイスタイプとStepdownタイプがありますが、私はほとんどStepdownタイプを作製して使用しています。
理由は簡単で、Stepdownタイプの方がデザイン的に美しいからです。
ブランクの太さから変わらない太さでFerruleへと続いていくのが美しいのです。
ここで太くなってしまうスイスタイプは私の美意識的にはダメなんです。
同じ理由で金属フェルール以外のフェルールも美しくないと思うのです。
軽いとか、フェルール自体も曲がるとか良さげなうたい文句はいくらでも耳にしますが、
アクションに関しては、テーパーで調整できるのです。
フェルール部分もバンブーで加工することでフェルール部分も一体的に曲がるのですと言っているビルダーさんのバンブーフェルールは金属フェルールよりもはるかに長く、スレッドでグルグル巻きになっていたりするんです。
それにもましてフェルール部分が膨らんでデザイン的に.......。
だから、私は金属フェルールを使用しています。
もうすぐラッピングに取り掛かります。
ついでなのでもう1つ言わせてください。
バンブーロッドのアクションを決まるのは、1,竹の種類、個体差 2,テーパー 3,火入れ 大きくはこの3つで調整できると思っています。
しかしながら、最近は中空構造のバンブーロッドを製作しているビルダーさんも多いようです。
中空構造のすることで軽量化でき、反発力を高めるなどと言う声も聞きます。
私の意見ですが、中空構造にすることで今まで3つのパラメータでアクションをコントロールできていたものが、パラメータが増えてしまうと思うのです。
上記3つのパラメータ以外に
4,肉抜き量 5,ダム幅 6,ダム長さ 7,ダムピッチ 8,肉抜き部R 9,接着剤のはみだし量
ざっと考えて、パラメータが9つになってしまいます。
こんなにパラメータが多いと、どのパラメータをどういじったらアクションがどのように変化するか判らなくなってしまうはずなのです。
また、パラメータが多いということは、バラツキが多いということになります。
プレーニングフォームで薄く削った時の加工精度よりも肉抜きをしている加工精度の方が良くないのでは?と思うのです。
それぞれの加工精度の公差×パラメータ数で誤差が生じてしまうはずなのです。
私の個人的な考えですが、モノづくりに関しては、使用ツールが少なく、ローテクなほうがいいのではないかと思っています。
これは言い換えれば良いロッド、アクションのバラツキの少ないロッドに関してはパラメータが少なく、ローテクなほうがいいのではないかと思っているのです。
反対意見もあろうかと思います。
私も何度も中空ロッドを作ったことはありますが、今思うことです。