
リールの修理は最近では年間100台程度行ってきています。
その中で今回で2台目の症状なのですが、これはもっとトラブルを抱えているフライマンもいるのではないかと想像しています。
HARDY ULTRALITE 1000FW DDなのです。
このリールはラージアーバーの最近ぽいデザインのリールで、ワンウェイクラッチにより巻き方向はギヤが回転すること無くスプールが回転します。
逆転時はワンウェイクラッチにブレーキが掛かり、センターシャフトのギヤが回転し、ブレーキ用のギヤも連動して回転するが、ブレーキ用ギヤはダイヤルにより負荷を与えて、ドラグ調整できるというものです。
さて、今回のトラブルは写真のようにセンターシャフトのギヤとブレーキ用のギヤが上手く噛み合わず、ドラグとして機能しないというトラブルです。
分解するには、ドラグ調整ダイヤルに緑と赤のドラグ強度表示用のマークがついたプレートを取り外す必要があります。
プレートは接着されているので、隙間からアルコールを注入して、接着剤を軟化させた状態でデザインナイフの先端等でプレートをこじると外すことができます。
プレートを外すとマイナスネジが出てくるので、このマイナスネジを外すのですが、このマイナスネジは左ネジですので間違えないようにいしてください。
このネジを取り外すと後は簡単に分解可能です。
ブレーキ用のギヤは内径7.0mmで、このギヤを固定している軸径は6.0mmなのです。
すなわちガタツキが±0.5mmあると言うことなのです。
逆を言えば、この±0.5mmのガタツキがなければギヤが上手く噛み合わないというトラブルはなくなるのです。
と言うことで、このガタツキを無くすためのスペーサー(パイプ)を作製すればよいのです。
寸法は内径6.05mm外径7.0mm、厚さ1.65mmのパイプを加工してブレーキ用のギヤに嵌め込んで組み立てれば良いということになります。

たかが±0.5mmのガタツキですがこのガタツキによりドラグが機能しません。
ハッキリ言ってこれは問題ありです。もっと沢山のこのリールが不具合を抱えているのだと推測致します。リコールが必要なのではと思うほどです。
ギヤの遊びが大きいとギヤ自体の摩耗と、軸受、ギヤ内径の摩耗が発生します。
私が計測した遊びはリールの初期段階ではもっと小さいのかもしれません。
摩耗によりこの寸法になったのかもしれません。
または、最初からこのガタツキだったのかもしれません。
同じようなトラブルを抱えているフライマンは、症状を検索して、このblogにたどり着いて欲しいと願うばかりです。
今回の修理は、検索により、過去blogにヒットして、修理に繋がりました。
出来るだけ修理に関してはブログやSNSに投稿して、皆さんの記憶の隅にメモリーしておいて頂ければと思います。
さて、4月から修理価格が変更されます。
たかがネジ1個でも加工に時間が掛かるものは1時間加工時間が掛かるのであれば3000円の値段になってしまいます。
そのため修理の出せず、どこかで眠ってしまうリールが増えてしまうのであれば不本意ですが、どうしても思い入れがあって、修理したい思いの強いフライマンの期待にこたえられるようにさらに技術を磨いていこうと思っています。